リールは糸ふけを巻き取る道具ですが、中には力任せに撒かないとだめな時だってあります。
特に大物になってくるとドラグがなりやまないほどのこともあるでしょうし、レバーブレーキが折れるほど握りしめたこともあるでしょう。
結果的にはばらしてしまうことにつながったという方も居られるでは。
メーカーから出荷された時の新品のリールでそれなりの高級品はある程度のトルクやドラグ性能などかなりの高水準で決定つけられていて、いろんな場合の釣り状況の対応がリールサイドでできうる限りのことをほぼ成し遂げています。
うまく巻き取りが行かなかったり、高速で回転しなかったりレバーが折れてしまったりベールが戻らなかったりするのはほとんどがメンテナンスができていないことが原因です。
リールに使われている軽量合金はアルミが主体です。アルミは塩分等が起因して電解腐食を始めます。表面に残っている塩分をほうっておくと様々なことが起きます。又、潮噛みというのも潤滑剤を流して代わりに潮の粒子が残ってしまうことです。
リールの内部には稼働個所がたくさんあって、単純に完全に分解して水洗いしても潤滑が全くないと上手く機能してくれません。そんな状態になるのです。
PE等の糸を撒いている場合も海水につかったラインを巻きとるわけですから、糸塩水を含んで巻きとられ常にリールは海水に触れていることになります。風や太陽光で水分が蒸発されると直ちに結晶化して腐食が始まります。
メーカーでは表層に分厚いコーティングをしてますから、気にせず使っていますが、安価番のリールでは1~2回使ったら動かなくなるということもあるでしょう。
また、海水にぬれた手で触っていると手袋などから染み出した海水が回転軸に触れて浸透行くケースがあります。
正転逆転を繰り返すリールでは仕方のないことですが、ここでも水分バリアを行う処置をしているもののグリースなどの供給は怠れないものです。
しかし一度固着が始まると磯の上では何ともなりません。
勇気ある方はお茶や飲み水にじゃ盆とつけてその場をしのぐかどうかですが実際に洗い流しは無理なのです。
そんな時リールメンテ(製造元㈱ボナンザ)で稼働個所に浸透する液をスプレーすると復元します。
当然帰ってからきちんとメンテは必要になります。有機溶剤を含んでいないのでリール表層のコーティングを痛めたりすることはありません。
まずは現地での対応が可能です。また釣りから帰って工具を使わないで分解できるところまで分解します。
両軸リールは工具が必要です。分解可能ということはメンテナンス必要不可欠な範囲は意図的に分解できるようになっています。
ハンドルの止めにドライバーがいる場合もあります。そこまでは外してください。リールメンテを付けてぬるま湯で洗浄します。乾き始めのところでリールメンテをスプレーし、乾いたところでグリースアップします。柔らかいグリースを少量つけます。
油のスプレー剤はずっと乾かないため使用中いつまでも油が滴ってくることもありますし、匂いがずっと残ることだってあります。できたらノンオイルがお勧めです。
組み上がったら、回転の具合など確認して保管します。
リールの糸は2~3回ですべて巻き替えが望ましいです。大変丈夫になったスプールですが、完全に潮が抜けることはないので、巻き替えが一番いい方法です。
この時スプールも完全に清掃しておきましょう。スプールは前号で紹介したロッドメンテ、あるいはギャフメンテを使用しておくと光沢とスベリ性が保たれます。
(続く)