初めての方へ

HOME

釣り船予約

最新攻略コラム

2012年11月21日

鬼カサゴ攻略法

イズカサゴという立派?な標準和名があるのに、誰もそんな名では呼んでくれない可哀想な魚。関東では、鬼カサゴ、関西ではオコゼとか沖オコゼと呼ぶ人が多いのですが、ほとんどの人が標準和名など知らないのです。 イズカサゴはカサゴ目フサカサゴ科の魚で水深100~200mの砂泥底に多く生息し、最大では体長50cm、重さ2kg近くになります。
 
フサカサゴ科の魚の中では、味の評価が高く、高級魚のひとつとされています。

鮮やかな緋色の衣装をまとい、水圧の変化にも強いので水面まで浮かせても、まだ必死で潜って逃れようとする暴れん坊ですが、この引きの強さも魅力のひとつでしょうね。
 
普段は、海底の砂泥の中に潜ってじっとエサが近寄るのを待っている「孤高の人」のような魚なのです。
 
こういうエサ待ち伏せタイプの魚だからでしょうか、普段は胃の中が空っぽの個体が実に多いんだそうです。
 
胃の中が空っぽの状態を空胃率といいますが、千葉県の海で鬼カサゴの空胃率を調べたところ、なんと80%近くの魚の胃が空っぽだったそうです。
 
空胃率が高いと成長も遅くなるのでしょうね、30cm近くになるのに30年近くかかる魚もいるそうです。だから、小型を釣り上げたときは、できればリリースして下さいね。そうでないと成長が遅いためにどんどん個体数が少なくなっていくような気がするから…。
 
さて、このような生態の鬼カサゴを釣るためには、テンビンを使ったハリ数2、3本の吹き流し仕掛けが有利ですね。仕掛けの全長は2m前後、これに等間隔にハリを結びます。エサはイカの短冊やサンマの切り身などいろいろ使われますが、定番であるサバの切り身が一番のお勧めです。迷ったときはサバの切り身。切り身の端をチョン掛けにし水中でゆらゆらと泳がせて鬼カサゴを誘うのです。 暗い海底でできるだけエサを目立たせるために、蛍光玉やタコベイトをハリのチモトに付けるのも効果があるでしょう。
 
船長が船を流しながら狙うポイントは、根の周りに広がる砂泥底です。仕掛けが海底に着いたら糸フケを取って、トントンとオモリで海底を叩くようにして誘います。このときのアクションは、少し大きめがいいようです。鬼カサゴは、砂泥の中に潜り斜め上方を見ながらエサが落ちてくるのを待っているので仕掛けを大きめに誘い上げて、エサをフォールさせるように誘うと効果があるのです。
 
エサを見つけた鬼カサゴは、潜っていた砂泥底から飛び出して補食するのでしょうね、根魚にしては派手で大きなアタリが竿先に現われます。
 
でも、ここで慌てないで下さい。早アワセは禁物です。使っているハリがネムリバリなので、じっくり食わせてから合わせる方が外れがないからです。
 
もともとネムリバリは、ハリ先がねむっていて(ハリ先が内向きに曲がっている)魚がエサを飲み込んでもノドの奥には掛からず、口の中を滑ってきてカンヌキと呼ばれる口の両端に掛かるように設計されたハリなので、早アワセするとハリがすっぽ抜けることがあるからです。
 
強いアタリが出たあと一呼吸待って、さらに強く締め込んできたときに竿を立てるぐらいがちょうどいいでしょう。
 
こうしてハリに掛けた魚は、タモに入れるまで暴れ続けるので、途中で道糸を出したり、ハリスを緩めないことです。
 
次回は、青物のノマセ釣りを紹介しましょう。