6月のある日、石鯛が回ってくるポイント近くの構築物の壁でチヌとグレ、そして石鯛が仲良く?3匹並んでフジツボ、イガイなどの着生物を捕食しているのを見たことがあります。グレは30cm台、チヌと石鯛は40cm台でしたがさすがにびっくりしました。
山口県の柳井近くの橋脚の上層部でも、やはり石鯛がエサをつついているのを見たことがありましたが、磯にしかいないと思っていた石鯛は、注意深く見ていると回遊するコースのあちこちで見かけることができるのです。
瀬戸内の石鯛の生態についてはそんなに知識がないのですが、私の経験では沿岸部の堤防に回遊してくる時期は、初夏から梅雨にかけてが多いようです。
4月の後半から7月にかけて、序々に喰いも良くなってくるのですが、水温が低いときはイガイなどのエサではなかなかアタリを見ることはできませんでした。落とし込み釣りで使ういろいろなエサを試みましたが、低水温時に効果が高かったのは、カメジャコ、小ボケ、クモガニでした。徐々に気温が上がり、最高気温が24度を越えるようになると、石鯛の喰いも活発になりました。
5月に釣り上げた石鯛は、なんと小さなヒトデを何匹も食べていました。そこで何度か小型のヒトデをエサにして、4ヒロぐらいまでのタナで石鯛やチヌを狙いましたが、アタリはありませんでした。多分、底でしかアタってこないのでしょう。水深は10ヒロ前後あり、潮の流れもあるので底までは探りませんでした。
石鯛もチヌ同様、気温が上がり活性が高くなるにつれて、エサも硬めのエサを捕食するようになります。フジツボ、タンク、イガイのダンゴ(稚貝)で一気に食ってくるときもあります。6月に入るとイガイのダンゴを基本エサと考えても良いでしょう。チヌと同じく潮などの状況でその喰いが変わりますので、場所、場所によるパターンを見極めることが重要です。
次回は黒鯛道23 「落とし込み釣りで狙う石鯛、その3。」を予定しています。