皆さまこんにちは、楽しい釣りをしていらっしゃいますか。
山口雅三です。今回は、ウキと鉛の浮力に関して書いてみたいと思います。
フカセ釣りをはじめとして船釣りのウキ天秤釣り、アマゴ釣り、ハヤ釣りなどウキを用いてウキの浮力と仕掛けのなじみを錘でコントロールしている釣りを多く見ます。
ウキの浮力はウキから下の仕掛けの重さのTOTALを相殺するようなことと、視認性を考えて参考浮力を表示してあります。
水深が20ヒロと深いタナの時は10号-20号くらいの錘は普通に使います。磯のフカセ釣りの世界でまず「矢引き」というタナの設定があります。この時使う錘の役目は、餌取り対策と瞬時にタナを取ることが主目的で、撒き餌との時間差攻撃で近くにいる餌取りをかわし少しでも大きなメジナを釣るときに行います。
これは仕掛けの着低と同じくして撒き餌(コマセ)を打ちます。その撒き餌に周辺の魚を寄せ、刺し餌のついた仕掛けは瞬時に餌取りの層をかわさなくてはなりません。そのために、針から50mmほど上に2Bもしくは3Bほどのシズを打ちます。
落ちる時の速度はハリスが1.5号でしたら、1秒ほどで到達します。その理屈で考えると、2ヒロなら約4秒で到達します。シズを打たないハリスは2ヒロの場合120秒ほどかかりますからその速度の差は歴然としています。
フカセ釣りの中には仕掛け錘とおとし錘があります。
タナを取るのがおとし錘でなじませるのが仕掛け錘です。
昨今の釣りでは仕掛け鉛と針の重みとを計算して餌の落ちて行く速度をよく知ったうえで仕掛けのコントロールを行う釣りがトーナメントなどでは盛んに行われています。
特に加工餌(オキアミの蜂蜜付けなどは沈降速度が速い)を使うと餌が取られずにまだある場合は、その餌さえも錘の一部ととらまえて、餌がついているかついていないかも、ウキのシモリ具合で判断がつくと言うように、より高度な釣りになってきています。
そのために仕掛けがなじみ、餌があれば徐々に沈みだす精巧な浮力を使用するのが絶対的な条件で、微妙な浮力調整に錘を使うということもあります。
ジンタンシズ8号を外して針を5号から6号に替えた・・・などと浮力に対しての調整も非常に繊細なところに来ています。
メジナの捕食シーンを撮影した「グレ REAL」というサーフェーサー(原見社長)からリリースされたビデオを見ると、それぞれの餌によって沈み方が異なっています。ですから状況に応じて錘の使い分けも大変重要になってきます。
このDVDは目から鱗のシーンが満載で餌に対して魚がどのように反応しているかが良く見えます。まだまだ魚しかわからないようなことがたくさんあります。
さて、次回は先ほど述べた、おとし鉛と、仕掛け鉛に関してもう少し詳しく書いてみます。