これは落とし込み釣りのシーズンを春先から晩秋までと考えれば、食い気のあるチヌやイガイの下についているチヌを狙うための効率的な釣り方であることがわかるのですが、落とし込みのシーズンでもいつもチヌが食い気があるわけではないことも分かりました。タナの変化や場所の変化を考えるようになったのです。
一日のうちでも堤防の状況によってチヌがいるタナが変化していました。これは同じ堤防で一年中、そして何年間も通っていると見えてくるものです。ある年には6月の梅雨の時期でも底でしかアタリがないときもありました。タナだけではなくエサ使いも繊細さが必要でした。必ず食ってくると思っていた特効エサのヘラヘラを使っていてもまったくチヌが反応しないときが多くあることも分かりました。
夏の夕方、陽が沈みかけたころチヌが入れ食いすることも多かったのですが、なぜか次の日はアタリがほとんどなかったこともありました。つづけて同じ状況にはならないことが多いのです。
七防はかって一年中、イガイがついていることが多かったのですが昨年のように夏場にイガイがすべて落ちてしまうこともあります。
自然は常に変化しているのだということをここ25年間の経緯をみて実感しています。
エサの変化は99年に発見したパイプが画期的でした。冬場の最強のエサとなり11月から5月ぐらいまでの主力エサとなったのです。
七防のケーソンは大阪北港のスリットなどと比べると、チヌが住み着いているわけでもなく変化も少ない堤防ですが、それだけに落とし込み釣りにかかせない基本を学ぶことができると思います。スリットなどに比べるとケーソンでの落とし込み釣りはより繊細な落とし方やポイントの見つけ方が必要となります。スリットではどのマスも方角が同じであればほぼ同じパターンでチヌは食ってきますが、ケーソンでの釣りはコバ周りや変化のあるところ、人の気配がなくなったところなど時間、状況、場所を考えないとまったくアタリがないことが多いのです。
一文字ケーソンは落とし込み釣りの基本であると考えています。
次回は黒鯛道18 「黒鯛人例会」を予定しています。