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2012年8月9日

タコの脚は再生するってほんと?

マダコといえば、夏の釣り物ですね。
 
関西では、昔から梅雨の水を吸って大きくなるといわれており、梅雨が明けると本格的なマダコ釣りのシーズンを迎えます。
 
今年も梅雨明けから各地の防波堤でタコジグと呼ばれる疑似餌を使ってマダコ釣りが始まりましたね。
 
でも、なぜタコジグと呼ばれる疑似餌は、マダコそっくりの恰好をしているのでしょうか?。
 
それは、マダコの習性によるものです。マダコは共食いすることで知られていますね。小ダコの間は余り見かけませんが、重さが700、800gほどになると釣り上げたマダコの中で、ときどき脚が食いちぎられている奴がいます。これは、天敵のウツボの仕業であるときもありますが、ウツボがいない海域のマダコにも脚を食いちぎられた奴がいます。こういうマダコは、マダコ同士の争いかお腹を空かせたマダコに食いちぎられたのです。
 
ところがマダコには、もっと変わった習性があります。マダコはストレスが溜まると、自虐的になって自分の脚を食いちぎってしまうのです。

こういう形(自分で食いちぎったとき)で脚を失ったマダコの脚は再生しないといわれています。ところが魚やほかのマダコに脚を食いちぎられたときは、不思議なことに見事、脚は再生するのです。
 
今年も船のマダコ釣りに出かけたとき、食いちぎられた太い脚の根本から、再生し始めた脚が少しずつ伸びつつあるマダコを見かけました。不思議ですよね~ぇ。
 
マダコそっくりのタコジグでマダコが釣れるのは、共食いすることもひとつの要因ですが、もうひとつは縄張り侵犯による威嚇が目的でタコジグに近付き、攻撃するときに掛かってしまうというケースです。
 
大きなマダコほど縄張り意識が強く、自分の縄張りに侵入してきた奴(タコに限らず)は、すべて追い払おうとします。それは小さな疑似餌のタコジグであっても同じですね。 

だから、防波堤の壁や捨て石の間にタコジグを落として、まるで威嚇するようにタコジグを揺すってやると、そこに縄張りをもっていたマダコがすっ飛んできて、タコジグを追い払おうとするんですね。
 
最初から食べようと思って寄って来るわけではないんです。
 
タコジグを使った釣りの原理は、こういうことなので、出来るだけタコジグを派手に揺すって、我れここにあり、と大きくアピールするほど効果があるというわけです。

さて、小ダコの間は余り広く縄張りを持たないせいなのか、1匹釣れた場所のすぐ横でも釣れることがありますが、500gを超えるサイズになると、もっと大きな縄張りを持つようになります。一説には、その範囲は5m四方だといわれており、漁師がたこつぼ漁をするときに、最低でも5m以上離して1個、1個のたこつぼを縄に付けるそうです。
 
だから、もし防波堤でも500g以上のマダコが釣れたとき、まだいるかも知れないといくらその場所で粘ってみても、2匹目がいる可能性は少ないといえるでしょう。
 
そんなときは、少なくとも最初に500g以上が釣れた場所から、最低でも5m以上離れた場所で2匹目を狙ってみることです。そうすると、次ぎに縄張りを持った良型のマダコが釣れる可能性が高くなるのです。
 
次回は、夜釣りの特効エサについて紹介しましょう。