夏ビラメは、ネコも食わない「ネコまたぎ」などといいますが、それは産卵直後の一時期だけの話で、お盆を過ぎるころには再び太り始めて味もよくなります。
昔の謎かけに、こんなのがありました。
夏の座敷とかけて、ヒラメと解く。
その心は?。
どちらも縁側がよろしいようで。(笑)
この意味、お分かりになりましたか?。
夏の座敷は、部屋の中が暑く縁側へ涼みに出ますよね。だから縁側が1等場所。
同じようにヒラメも食通が特に好むのが歯応えのある縁側の身ですよね。
だからどちらも縁側がよろしいようで、という答になるわけです。
さて、謎かけはどうでもよくて、オフシーズンとはいえヒラメがよく釣れていますね。昔からヒラメを釣るときによくいわれたのが「ヒラメ四十」という言葉です。
いったいどういう意味なのでしょうか?。 ヒラメはカレイと同じように海底にべったりとへばりつき、ときには砂の中に潜ってエサが近付くのを待ち、一気に補食してしまうどう猛な魚です。
海底にへばりついていながら、その動作は俊敏で、一気に4、5m跳び上がってエサを捕らえるそうですよ。
ヒラメは大口カレイとも呼ばれるように、大きな口をしたフィッシュイーターですが、捕らえたエサをまずかみ殺してからゆっくり食べるのでしょうね。一気に呑み込んでくれません。
だから、エサを捕らえたときに出る大きなアタリがあっても、しっかりエサを呑み込むまで待ってから合わせなさい、そうしないとすっぽ抜けますよ。アタリがあってから四十数えるぐらいのインターバルが必要ですよ、という教えなのです。
この教えを守ってしっかりハリ掛かりさせたら、あとのやり取りはゆとりを持って楽しんで下さい。青物のように走り回るわけではなく、マダイのように節をつけて締め込んだりはしません。
そのかわり最もよくバラすのが、取り込みのときです。
ヒラメは水面下ではおとなしいのですが、空気を吸わせると驚くほど暴れます。このときにバラしてしまうのですね。
だから取り込むときは、ゆっくりリールを巻いてきて、ヒラメが水面下40、50cmのところまで浮いてきたらいったん止めます。そして、タモ枠の付け根まで水面下に沈め、ヒラメに空気を吸わせないよう慎重にタモの中へ誘導していきます。空気を吸わせなければヒラメは暴れないので、おとなしくタモの中へ入ってくれますよ。