夏場の磯釣りは過酷です。
炎天下となる朝8時から夕方の5時くらいまでの釣りはおすすめしません。
灼熱だからです。
曇天であればまだましですが、周辺温度が高いことから体からの水分がドンドン体外に出ていきます。
水分吸収が思うようにできないと恐ろしい熱中症にかかってしまいます。
もし磯に上がるときは、よく天気を見て日傘(雨傘兼用)を持ち、日焼け止めをしっかり塗り、紫外線の影響を受けないようにしてください。
クーラーボックスには十分な水(缶コーヒーや、フルーツジュースより体への吸収がいい)を持って行ってください。
脱力感や睡魔が来たら注意信号です。
すぐに港に戻るようにしてください。
さて釣り物と言えば、朝からの石鯛狙い、あるいは夕暮れ時の尾長グレ狙いがありますし通しで夜釣りもあります。
夜に入れば夜行性のコロダイ、コショウダイ、フエフキダイなどものすごい馬力を持った魚で楽しむことができます。
まず此処では夕方のグレ狙いで進めてみます。
ターゲットが尾長グレなのでタックルは自ずと太くなります。
棚を深くするようなことはほとんどありません。
完全フカセのハリス2ヒロがセオリーです。
場所や潮に寄りますがイサキなどもまじります。
夕暮れの時間帯から帳が降りる頃までに、ウキも仕掛けも夜釣り仕様に変えて目で仕掛けが追えるようにしておきます。
繊細な仕掛けより頑丈な仕掛けをしてください。
和歌山県笠甫(カサボ)の釣りの模様を例にとってみます。
夕方から夜九時までの釣りをするということで、渡船乗り場に3時頃到着し準備をします。
夏場なので陽はまだ高いですが、徐々に熱射光が弱くなってくるので、朝からの釣りのことを思うと比較にならないほど過ごしやすいです。
狙いは尾長グレ。
平均タックルはハリス2.5号。
竿は1.5号、道糸は2.5号です。
磯の周りは小魚、餌取りが多く釘付けをしつつ食わせの餌は遠投します。
撒き餌をはじめて30分もしないうちに、餌取りが少なくなり餌が残るようになってきました。
大型魚が近寄ってきた証拠です。
こうなると、釣れる可能性が高くなります。
もや~と浮かんだウキが目にもとまらぬ速さで消し込みます。
とたんに道糸を指一本で止めているスプールをはじいて糸が一気に出ていきます。
糸の出を左手で止めて大きくしゃくると一気に竿の根元まで折り曲げていきます。
たまらず糸を出します。
20Mか30M出たのではないかと思うほどの勢い。
やっと竿を立て他が一巻きもせずにブレイク。
魚の速さについていけないのである。
更に同様に攻めると、40㎝くらいのイサキは、スピードはあるもの竿のテンションだけで寄せることができる。
ポイントは少しずつ近くなってきて竿2~3本先にウキ2.5ヒロで、ちょっと間を置いてまたもや強烈なあたり。
これまたぐんぐん竿を絞り込んでまたもやラインブレイク。
この段階で電気ウキに変えて、ハリスを3号にする。
最善の引きなら2.5号が3号に変わったところで全く差が無い。
ただ竿が1.75号までなのでそれより強いタックルは竿の方が負けてしまうからです。
何度か同じような目に遭って、持ち帰りができたのは型の良いイサキが数匹。
後は刃が立たないものばかりであった。
夏場の釣りは暑さを回避できれば大釣りに出会う可能性が高いので、釣行するとしたら強いタックルと暑さ対策をして出かけてもらいたいものです。