つい先日、磯釣りに行って参りました。
狙いはグレです。
この日渡った磯は平坦で足場もよく非常に釣りやすい場所でした。
周囲はなだらかに落ちていく地形の部分が有り、その場所は満潮時に水をかぶっています。
潮が引くと徐々に姿を現してきたのはタイドプールです。
潮が引いても打ち寄せる波で常に海水が入れ替わり、その水は常に新鮮な状態です。
日光に当たる割合が多いこともあって、藻がたくさん張り付いています。
水中めがねがなくとも水の中を見るのは容易で、波に洗い流されずにとどまる魚もいます。
小さな魚で干潮に向かう際に取り残されたのでしょうか。
ガシラ(カサゴ)の稚魚の様でもあります。
岩にはフジツボ、ヒサラ貝、陣笠、亀の手、イソギンチャクが無数に居ます。
穴ポコのようなところを探して回ると、このプールには居ませんでしたが、時々手足のながーい手長ダコが居るときがあります。
あと面白いのはヤドカリの類いです。
ヤドカリはいろんな種類が居ると思われます。
じっとしている蜷(巻き貝)。
しかもよく見てやっとわかるものから親指大のものまであります。
小さいのは2~3mmとちいさく、生きているのだろうかと思ってしまいますがちゃんと生きています。
石にへばり付いた海藻を食べているものと思います。
ヤドカリはほとんど巻き貝の中。
宿替えをしているものもたまに見つけます。
じっと見るだけで時間を忘れてしまいそうなくらい、見入ってしまいます。
イソギンチャクにもいろんな種類のものがあります。
名前は多すぎてわかりません。
群生のパターンがたくさんありそうで、その磯周辺の状況で生息できるイソギンチャクの種類も決まってくるものと思われます。
専門書を見ればわかるのでしょうけど。
タイドプールの中には水中パノラマが広がっており、森があり林があり、山有り谷ありと変化に富んでいます。
岩の間をジーと眺めていますと、石の割れ目にウツボの子供と思われる細い生き物が石と同じような色をしてじっとしています。
ただ目だけがきょろきょろ動いているように見えます。
これ以上近づいたらおそらく逃げてしまいそうでそっとその場を離れました。
やや深い谷間をのぞくと、ベラの仲間と思われる魚が警戒心無く泳いでいます。
流れてくるものを待つ魚の習性でなく、えさを探し回ると行った行動です。
ホバリングしながら海藻に付いている何かをついばんでいます。
見た目には何をついばんでいるのかわかりませんが、何か微生物が居るのでしょう。
割とその場を離れようとせず、何回も何回もついばんでいます。
ほかの魚が排泄した有機物が付着しているのか、よくわかりません。
その正体がわかれば魚釣りの特効薬的なえさが作れるかもしれませんね。
その魚を除けばだいたいは日影に寄り添っています。
明るいところより日陰が好ましいのか。
温度の違いがありすぎると居りつらいのか、いろいろ考えてしまいます。
つまり釣りの対象魚は悠々と泳いでいる魚をターゲットにしていることと、なかなか移動しないがじっとえさを待つ魚をターゲットにしていることがあると言うことです。
悠々と泳いでいる魚を狙ってつれないときはその魚の居心地がいまいちで、悠々と泳いで居られない場合なのでしょう。
そんな状況なのに一生懸命悠々と泳いで居る状態を意識して釣りをして、その日はボーズで帰る寂しい釣り人が私だったのですね。
釣り場の状況にあった釣りをするのがとても大事、つまり魚の生態系を把握していないとなかなか難しいと言うことなのですね。
タイドプールの中からいろんな学習ができました。
次回はまた釣りに戻って磯釣りを眺めてみたいと思います。