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最新攻略コラム

2012年1月5日

磯のシチュエーション・・・潮通しとポイント

皆さまこんにちは。山口雅三です。楽しい釣りをしていらっしゃいますか。前回に続いて磯のシチュエーションを展開していきましょう。
 
潮の流れが乏しい釣り場、つまり湾の奥に位置して潮の動きが悪くても立派な対象魚がいて、それが釣り人を魅了してやまない対象魚、クロダイがいる話をかいつまんでご説明しました。
 
特にクロダイに関してはいろんな角度から話が広がっていくので私自身も話の興味も高い位置になってきます。今回はとりあえず潮の流れに関して磯釣りのポイントを確認をしていくことにしましょう。

潮通しがいい・・・意味は字のごとく潮が良く通る場所のことです。ではそこで何が起きているのでしょうか。これは磯に立って見ると判断が出きるときがあります。波立つ水面を見て解るくらいに海水が動いているときは波の状態、または、流れによって生じる渦、ヨレ、潮目など、見てとれる状況から判断することが多いのです。風が強かったり波気があったりすると別な方法で判断します。潮が動いているからこそ生じる現象で、波がきついと砕け散る潮で白濁した泡が筋を描きます。ゆっくりとして穏やかな時に残る泡とは別の泡です。(これは口述します。)砕けて真っ白になるきめの細かい泡です。空気の粒子が砕けて対気に抜けるより広がっていく速度が速い時その泡の筋が描かれます。これで潮の動いている方向が解ります。また風がきつくて表面が良くわからないときでも海を覗いて海草がなびいている方向などで判断することができます。さらに目立つもの、枯れ葉や流木、あってはならないごみなどからも推測ができます。それでもわかりにくい時は撒き餌(コマセ)を撒いて判断します。実際に釣りに必要な流れは表面でもなく、魚が捕食しに来る深さ(層:たな)がどのように流れているかが一番知りたいところです。それを判断するならコマセ餌のオキアミを撒いて確認するのが最も手っとり速いと思います。石鯛の釣りなどでは基本的に当て潮(沖から手前に押してくる潮)がいいとされますが、実際はまっ正面から押してくるのでなくある程度の角度を持って押してきて、それが同じ角度抜けていくような感じであれば仕掛けも安定しやすくて、魚にとって流れてくるエサの確率が高くなるからそういう場所をこのんでいるはずです。
 
渓流の釣りなどで、流れに乗って来る餌(幼虫や昆虫、魚の卵)などでもわかるように、魚の習性としてそこに餌が来るものと長い歳月の中で経験的に知っていて、自然の買い付け状態がなされているわけです。釣り人はいち早くそういう餌が流れてくる場所が解ればそこがポイントであると判断できるわけです。
 
全般にその場所があからさまになっている場所では外敵、天敵が狙ってくるので、ここも長期間の経験からより安全な場所に隠れていて、あわよくば餌が来る場所が分かっていてそこに居ついてしまうのです。こういう風に潮が通っていて隠れ家のありそうな場所がまた一つの狙い目です。・・・と、言うことは磯でいえば磯際、オーバーハングになった場所など隠れ家のある場所と言うことになります。魚にとって安全が確保されれば穴から出てきて捕食しやすい場所に出てきて悠々と捕食します。つまり岩の陰から出てきて岩(海底の突き出た場所も含む)のてっぺん(先端、頂点)に出てきて、思いっきり捕食を始めます。
 
磯の地形から潮通しがいい場所は突き出た場所、先端、突端になって、ポイントは周囲にシモリやハエ根があって変化に富むところとなります。
 
潮の満ち引きで生じる海流もそういう場所がより好場になりますし、黒潮からの分支流が入って来るところなどは温かい潮が通って更によくなります。前述したような潮の流れをいろんな角度から見るといったことをもう少しすすめてまいります。
 
海を縦に切ったようなイメージを持ってください。海の表面だけが動いている潮・・・風によるもの、川の流れの影響を受けているもの、障害物を乗り越えた潮など、海流の大きな恩恵を受けずして流れが生じているものがあります。そう言う潮はえてして良くない潮で餌を運んでくるとは思えない流れです。水温の変化、紀水域の真水と海水のように塩分の濃度がちがって起きる潮、または海の表面が太陽などに熱せられ対流から始まる小さな海流などは二枚潮と言う比重の違いによる流れの差を作るときがあります。こういう時は仕掛けが餌とアワセにくく苦労します。釣り人にとっては厄介な現象とも言えます。断面で見ても二重三重に流れの差が生じてしまうことがあります。いいのは太くてゆったりっと大きく入れ替わるような潮が良く、そしてそれは時間帯によって釣れ出しのタイミングが大体分かるときがあります。地域によって言い方が様々ありますが、込潮(潮の満ち引きで満ちて来る時)はどういう風に流れるかがはっきりとしています。潮の入れ替わりで潮位の差が大きければそれだけ潮の速度が速くなります。
 
または、寄せては返すエネルギーと寄せてくるエネルギーが合わさってグングン沈んでいく場所が発生します。餌が一番たまる場所と言うことなります。こういう場所もポイントとなります。
 
(続く)