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2017年1月5日

「知るシリーズ」・・風その2

前回、風の存在と釣りの関係を述べさせていただきました。
 
風を知ることで対応の仕方がずいぶん変わってくる重要な関係がありました。
 
今回は風の性質から風の利用方法を考えてみましょう。
 
釣りをするうえで風が好まれたり嫌われたりするとはどういうことかが当てはまると思います。
 
 
釣り座と風の関係から風の向きによっては利用か価値があったり邪魔になったりします。
 
風をはらんだ道糸は、仕掛け投入後水面まで着水するのに時間がかかります。
 
仕掛けがなじむまでの時間がかかってしまうということです。
 
 
道糸の太さによって風の影響を受ける度合いは変わりますが、一方、風もいつも同じ方向、同じ強さではありません。
 
むしろ同じ状況がないとみていいでしょう。
 
仕掛けがなじんでほしくない場所に仕掛けが入っても、糸をはらませることによって仕掛けの移動ができます。
 
また仕掛けが水中下でたるまないように張っておきたいときも、利用できます。

釣座から前に仕掛けが流れているときは簡単に仕掛けの張りを作ることができますが、横向きの流れ、あるいは正面からの流れでは糸の張りようがありません、そういった場合風に道糸をはらませて張りを創ることができます。
 
風がきつくなるとそのままでは仕掛けが浮いてしまって潮の流れに無関係な動きになってしまいます。

その場合は頃合いを見て道糸を沈めます。
 
したがって糸を出す量、竿の角度によって常に風を味方につける釣りをしないといけません。
 
風があるときのほったらかしではウキが流されて終わりということになります。
 
 
ウキに体積があるので仕掛けの重心はウキに集中します。
 
そのウキを風で固定化するのです。

それでも浮き上がりやすい場合は仕掛けの途中に重たいシズを打ちます。
 
そうすると仕掛けの重心が右記より下の方に来るためウキ自身が動いても仕掛けそのものは割とその場にじっとしているものです。
 
 
寒グレの時期安定した水温下でじっとしているグレにエサを届けるには、どうしてもこのようなやり方をしないと仕掛けを落ち着かすことができません。
 
 
仕掛け(道糸)を水面下に浸けることで仕掛けが落ち着くときがあります。
 
波長の長い風が水面をなめていくときは少々ウキを沈ませても浮き上がってしまいます。
 
それは風波によって水面の凹凸が大きくなると水面の距離の総和が異なってきます。
 
出している道糸が波の動きに完全に同調しきれず、波と波の間では糸がむき出しに瞬間があります。
 
そこに風があるので当然道糸は浮いてしまおうとします。
 
道糸に錘を打つわけにはいきませんので糸の比重の重いものを選ばなくてはけなくなります。
 
 
一般的に使用している道糸はナイロンなのでおおむね1.2g/cc程度されます。
 
こういう場合打つ手なしではなく、ハリスをかなり長めに出します。
 
ハリスは比重が1.4g/cc近くあるので道糸とハリスを直結し、ハリスの途中にウキ、ウキ止め、シズ、針をセットします。
 
波に漂う部分もハリスとなるわけです。
 
魚を掛けた時の引っ張り合いも強くはなりますが、もぐり潮がある場所ではあっという間に糸が水中へ入って行きます。
 
このときも同じように糸を出しては、竿先を上げ、風にはらましてはすぐに沈めろと言った作業を頻繁に繰り返さなくてはいけません。
 
釣りで風が嫌われる理由です。

決してのんびりと竿を構えてあたりを待つといった釣りではなくなります。
 
 
海上風警報が出る様な風速12M/Sを超えるような時は釣りそのものが危険になってきますので絶対釣りは控えてください。
 
命に係わります。
 
 
風が吹いて仕掛けの回収がしにくいときがあるかと思います。
 
普通ならウキをつかみに行けばいいのですが、たかだか10g程度のウキに道糸がついていますので風にあおられてなかなか回収できません。
 
その場合穂先を風の方向に向けて角度を小さくして地面近くに竿を持って行きます。
 
簡単に失速して仕掛けはすぐに回収できます。
 
はためいている仕掛けをつかもうそしても苦労するばかりです。
 
なぜ簡単に回収できるかというと風と地面との間に空気の摩擦抵抗が生じており胸元の高さ1.5Mの風速と腰の高さ90㎝では半分ほど速度に差が出ます。
 
風が強くて寒いときも体を小さくして地面に座り込むという自然の行いもそういったことから体感する風速が全く違うからです。
 
しかしこのような風の強さは大体風速12M/s以上です。
 
釣りをやめて帰ってください。
 
2017年もよろしくお願いいたします。