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最新攻略コラム

2016年12月15日

「知るシリーズ」・・風

12月に入って急激に気温が下がってきました。
 
大陸から勢力の強い寒気が日本上空にかぶさってきています。
 
海水温も徐々に落ち始め、これから産卵を迎えようとする海の生物は大量補食と産卵場所のために接岸して、越冬に備えます。
 
海水温が下がると適応できない生物の活性は下がり、磯釣りのターゲットのグレ、チヌを釣るには最高の季節となってきます。
 
前回まではこれから磯釣り本番を迎えるまでの準備期間としてタックルの補修に関して述べてきました。
 
今回から具体的な釣りの知識の一部として参考になればと「知るシリーズ」としていろいろな現象や状態を釣り人の目線で述べさせていただきます。
 
今回は風をテーマとしてみてみましょう。
 
一口に風と言ってもいろいろあります。
 
釣り人が嫌う気象の中に雨と風がありますが、その風も吹いていないと困ることもあります。
 
釣り人にとって都合のいい風とはいったいどれくらいのことを指すのでしょうか。
 
また釣り人にとって都合の悪い風とはどういうものを指すのでしょうか。
 
まずは風そのものを紐解いてみましょう。
 
風から何を知ることが出きるかを考えると、風によって気象の推測ができます。
 
どちらから吹いてくる風なのか、また風がもたらす温度はどう変わっていくか、強さはどうか・・等の状況を見て、様々な準備、行動の判断材料にするのに大変重要なことになります。
 
特に船釣りの世界、漁師さんの世界は風の方向、潮の方向で漁獲に相当さが出るようです。
 
魚の群れに仕掛けがどういう角度で入り込んでいくかが重要になります。
 
潮の流れに同調するためのシーアンカーも風を味方に付けたり逆らったりするもので風を意識しなければ成り立たない漁法です。
 
他にはアオリイカを行う時のティップランでは風がもたらす力を利用して船を流していきます。
 
磯釣りの場合はどのように使うでしょうか。
 
磯釣りの場合、風が強すぎると仕掛けの投入が困難になり、さらにはポイントに仕掛けを合わせるのに大変技術を要します。
 
ですから、風を背にすると仕掛けは投入しやすいですが、そこに在る潮があててきていたりすると思い通りの釣りが展開できません。
 
風攻略ばかりが釣りのほとんどを占めてしまいます。
 
風を利用するとなると丁度2~3M/秒程度の風はあしらいが良く、仕掛けを張る為のオバセを作ったり、逆に道糸を水面下に入れ影響を受けにくくしたりする作業が意のままに展開できます。
 
磯に立ち、空模様として風を見ると言っても風そのものは色がついているわけではありませんから風の影響を受けている物体を見ていろいろ推測します。
 
遠くの山に掛かる雲の形、上空を流れる雲の速度と向き、街の煙突の煙、指を濡らして方向を見極めることもあるでしょう。
 
釣りをしながら水面を見ていくと全く沈んでいない漂流物などで判断していきます。
 
沈んでいる漂流物は潮の流れを見るとき効果がありますが、風の流れと勘違いしないようにするには浮いているか沈んでいるかでわかると思います。
 
釣り場で風速が8Mを超えるととても釣りにくい状況になります。
 
10Mを超すと風警報も出るでしょうし、海面の波立ちも結構なものになってきます。
 
気象情報をテレビ、ラジオでなどやっているのを注意を持って聞いてみてください。
 
風がきついということは気圧の高低差が大きく非常に不安定なことがあげられます。
 
例えばこの季節で考えると「冷たく、波長の長い風がきつく感じる」と言っただけで日本近海側つまり太平洋側(南側)は低気圧で冷たい地方(大陸側)は高気圧になります。
 
波長が長いというのは気圧の差が10hPa~15hPaはあって範囲としては気圧の範囲が広いことを意味します。
 
南側にも高気圧があり北側にも高気圧があり間がちょうど気圧の谷になれば温かい湿った空気と冷たい乾燥した空気が出会うので雨が降ります。
 
「朝方、温かかったがだんだん寒くなってきた。」となると、雪に変わることだってあります。
 
気圧の勢力によるものと上空の偏西風によるものから気圧の谷は移動して行きます。
 
そのラインに位置するものを前線と言います。
 
磯に立ち、やや気象が不安定な時はそういった見方をして釣りの準備に備えるのも重要ですし、釣行の前準備として前日の気象予報をみて判断することが大変重要になります。
 
船が出るとかでないとの判断をする理由がどこにあるかを知っておくことでも釣行計画の立て方の役に立つでしょう。
 
次回は風の利用の仕方等解説します。