タックル、仕掛けの選定は落とし込み釣りにとって、重要な要素の一つとなります。
選定を誤ると、アタリがとれなかったり、チヌをかけても針はずれでばらしてしまったり、ラインブレークしたりします。
釣行前のタックル選定では、選択の基準となることがいくつかあります。
まず、季節です。
季節によってチヌが釣れる可能性のあるタナや、チヌの引きの強さが想像できます。
チヌの引きはタックルの強さ(硬さ)、道糸、ハリスの号数を決定する要素となります。
水温が下がる冬場から春先にかけてのチヌは動作も緩慢でパワーもないので、普通の一文字ケーソンなどではタックルバランスも柔らかめでハリスも0.8や1.0などの細ハリスで、年無しを釣り上げることが可能です。
一方で夏から秋にかけてのチヌはパワー全開で、チヌを掛けてからの引きや動きが大きくなります。それに対応したタックルを選ぶようにしてください。
次に釣行場所です。
平場の一文字ケーソンか、テトラ・スリットなどの障害物周りかによって、必要なタックルのパワーや道糸、ハリスの強さが決まります。
釣り場のチヌの活性が高いか、低いかによっても、タックル、仕掛けは変化します。
釣り場の状況を想像して、穂先の柔らかさ、感度、オモリ、ハリスなどを決めていきます。
潮の流れが強いか弱いかによってもタックルバランス、仕掛けは変わってきます。
先日、釣行した明石海峡での真鯛の落とし込み釣りでは、なんとハリス6号が何度も飛ばされました。
掛かった真鯛は70~80cm台と思われますが、道糸6号が2回、ハリスが2回、そのパワーだけで飛ばされてしまいました。
真鯛は障害物周りにいるので、掛かるとまず障害物から引き離し、竿のパワー(石鯛の落とし込み竿)でやりとりするのですが、擦れていない6号道糸や6号ハリスが飛ばされることは石鯛を釣っていてもほとんどありません。
鳴門海峡と同じく、明石海峡の飛ぶような潮は、魚の引きを倍増しているに違いありません。
ちなみにオモリは6Bを2個、エサは7cmぐらいのイガイを2個掛けしています。
次回は、黒鯛道112 「茅渟の海、四方山話」その34、落とし込み釣行記 Ⅻ、を予定しています。