初夏、日ごとに日差しがきつくなって、そろそろ麦わら帽子をかぶって漁に出ようと思う季節に釣れ始めるのが”麦わらダコ”だ。
この時期に釣れるマダコは、前年の秋に生まれた新子が中心で、大きくても200、300g程度のものが多いが、身が軟らかくて美味しいので人気がある。
さて、タコといえば明石、明石といえばタコと答が返ってくるほどマダコが多く、漁も釣りも盛んな土地柄だ。
明石沖の播磨灘に横たわる広大な魚礁「鹿ノ瀬」は、昔からマダコが好むカニや貝のエサが豊富で、こんなエサばかり食べて育っているから味がよく、潮の速い場所で育つために脚が太短くて立って歩けると言うのが明石ダコの特長である。
明石周辺には乗合船が数多くあるので、気が向けば1人でふらりと釣りに出かけることも可能だし、気の合った仲間と談笑しながら数を競い合うのも楽しい。