こちらが土嚢でできた魚道です。
富田林高校の生徒と科学部の石川先生が魚道のそばでカメラをかまえて遡上するアユの記録におさめようと観察されていました。
魚道づくりのボランティアの二日目に応募したけれど、天候悪化で参加できなかったことを告げると、ありがとうございますと答えてくださり、いろいろと教えてくれました。
ボランティアの手でくみ上げた土嚢は翌日からの大雨による増水で数日後に崩壊、流失してしまったこと、このままでは終われないと、河川事務所や科学部OBなどの協力で、再度チャレンジして、改良のすえ、新たな魚道を積み上げたそうです。
「大阪湾から大和川、そして石川までは大きな堰堤がないので、アユがのぼってこれるんですよ。数年前は試験的に大和川で友釣りをしてもらたのですが、1時間ほどで5,6尾釣れましたよ!今は大和川には、友釣りできるくらいの、たくさんのアユがいてますよ!」と大変興味深いお話をしてくれました。
石川が合流する大和川にアユがいるというのは、何年か前に聞いたことがあります。
大和川は大阪湾に直結するので、下流域では多少遡上もあるのかなと思っていました。
かつて全国で2番目に汚い川だった歴史がある河川ですから、ずいぶんと河川環境もよくなってたくさんアユが遡上しているなんて嬉しい限りです。
ほとんど堰堤のない大和川をへて石川に上った鮎の行く手を阻むのが、この松井井堰です。
しばらく見ていると、何度も登ろうとジャンプする小さなアユが見えました。
しかしながら、アユの跳躍よりもはるかに高い堰堤が壁となり、か細い小鮎は翻って流れに呑まれてしまいます。
遺伝子に刻まれた宿命でしょうか、何度失敗しても、堰堤を駆け上ろうとするアユを見ていると、なんだかかわいそうになってきます…。
小一時間ほど、先生たちと魚道を観察したのですが、人の気配があることもあり、土嚢の魚道からアユが警戒して、沖に離れているようだと先生。
人の気配がない朝夕に、うまく魚道を伝って登ってほしい!
がんばれ~と思いながら、帰ってきました。