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2012年1月5日

魚は色を好むのか?

PEラインが登場してから、釣りは飛躍的な発展を遂げました。ただ、モノフィラメントのナイロンやフロロカーボンラインと違って、PEラインは極細のポリエチレン繊維を何本も撚り合わせて作られたラインですから、ナイロンやフロロカーボン糸のような透明度を持ち合わせていません。
 
だからPEラインは、道糸として使われることが多く、このような糸は飛距離や深さが分かりやすいように10m毎に染め分けされたものが多いのです。
 
沖釣りでは、PEラインのような色の付いた道糸は魚に警戒されるからと、わざわざ透明なフロロカーボンやナイロンの先糸を付けて使う人が多いですね。
 
でも、魚は本当に色糸を嫌うのでしょうか、水中でもはっきりと色を識別することができるのでしょうか?。その答は、出来る魚もいれば出来ない魚もいるということです。
 
よくルアーフィッシングで、ルアーの色を変えた途端ヒットしたとか、バイトがあったといわれますね。これはある魚にとっては確かに事実のようです。

魚は、網膜の黄斑にある円錐体細胞の働きによって、色を識別することが出来るそうです。この円錐体細胞が発達した魚には色覚、つまり色を見分ける能力ががあるのですが、発達していない魚は、ひとつの色だけしか見えなかったり、それが2色だけだったり、まったく識別できない色盲の魚など様々なんだそうです。
 
ただ、これまでの実験によって色覚が発達した魚は、ある程度分かっているそうです。ルアーによく反応するアマゴやヤマメなどのトラウト類、ブラックバス、スズキやボラ、ハゼなどは、ちゃんと色を見分けることが出来るそうです。
 
反対にカツオやマグロなどの外洋性の魚やコウイカ、マダコ、軟骨魚類のサメなどは色盲だそうです。さらに意外なのは、クロダイやマダイ、チダイなども色を見分けることが出来ないそうです。
 
マダイに色を見分ける能力がないのなら、沖釣りでは、PEラインの先に透明な先糸を付けなくても釣れるのではないか、そんな素朴な疑問が湧き上がってきますね。マダコにしてもしかりです。わざわざ真っ赤っかのタコジグを使う意味はあるのでしょうか?沖釣りのテンヤの上につける派手派手キンキラのテープに意味はあるのでしょうか…。
 
さらに水中では、色が吸収されるのをご存じですよね。水深が深くなればなるほど色の彩度がおちていき、最後には吸収されて、最も深いところまで吸収されずに残る青色だけになってしまうのです。水深10mで赤やピンクは色が吸収されてグレーになります。黄色はアイボリー、緑は青に変身し、30m以上では青以外の色はすべて吸収されて、明るさしか識別できないそうです。
 
沖釣りの中でもマダイ釣りは、水深30m以上のポイントを釣ることが多いですよね。そんな場所で赤い色のテンヤが有効だとか、出来るだけ赤いオキアミを刺した方が食いがよいという人の言い分は、意味がないのではと思うのです。
 
こういう深い海では、色を重視するより、仕掛けやエサそのものの動きの方が大切ではないでしょうか。
 
次回は、ハリスの長短について考えてみたいと思います。