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2016年5月26日

五月の渓魚は川虫で誘惑

五月は渓流釣りが最も面白くなるシーズンです。
 
ただ、アマゴやヤマメは解禁初期のようにイクラやミミズのエサでは簡単に釣れません。
瀬に出て活発にエサを食べるようになって彼らの主食は川虫です。
 
そこで、渓流釣りのエサに使われるポピュラーな川虫、つまり水生昆虫を紹介しておきましょう。
 
エサとして使われる水生昆虫をおおざっぱにグループ分けしてみると、カゲロウの幼虫、カワゲラの幼虫、トビケラの幼虫の3つに分かれます。
 
中でもカゲロウの幼虫は、渓流釣りには最高のエサだといわれており、これを採取して釣る人が多いですね。
 
何種かのカゲロウの幼虫がエサに使われていますが、代表的なものは、流れの速い瀬などの石の裏にいるエルモンヒラタカゲロウの幼虫ですね。

釣り人はヒラタと呼んでいますが、タオルやスポンジを使って石をなでるようにして取るためナデ虫とか、チョロチョロとよく動くのでチョロ虫とも呼ばれます。
 
大型は1匹刺し、小型は2、3匹を通し刺しにして使います。
 
少し流れの緩い砂礫底に多いのが、シロタニガワカゲロウやフタオカゲロウの幼虫です。
 
小型の水生昆虫でヒラタカゲロウの代役に使いますが、フタオカゲロウと形がよく似たオオマダラカゲロウは、殻が硬く食いが悪いので余り使いません。
 
オニチョロとかオニケラと呼ばれるエサは、カワゲラの仲間のジョウクリカワゲラやモンカワゲラです。

いずれも体長3㌢近くになる大型の水生昆虫で、瀬の中の大石の裏などに多くいます。
 
同じカワゲラの仲間で釣り人の間でキンパクと呼ばれる種は、川虫のなかでも最高のエサだといわれています。
 
もともと岐阜方面で地元の人が渓流釣りに使っていたのですが、食いがいいので各地に広がったといわれています。
 
キンパクという呼び名は、何種かのカワゲラの総称で同定が難しいそうですが、ヤマトアミメカワゲラモドキやミドリカワゲラモドキの幼虫が多いそうです。
 
キンパクという呼び名の通り、体の表裏とも黄色みが強く柔らかいエサなので食いがいいのでしょう。
 
トビケラの幼虫でエサになるのは、クロカワムシとかゴムシと呼ばれるヒゲナガカワトビケラの幼虫ですね。

トビケラの仲間は、岩の裏などに小石や砂礫を綴って巣を作るのが特長で、この巣を見つければ簡単に採取できます。
 
呼び名の通り体が黒や茶色のものが多く、体長4㌢を超えるものもいます。
 
長野県ではザザ虫と呼ばれ食用にされていますよ。
 
クロカワムシは渓流だけでなくウグイやニゴイ釣りのエサにも使われます。