季節も春めいて桜の便りが各地できかれるようになってきました。
それに合わせてこの時期、乗っ込みを迎えるたくさんの魚たちを心待ちにしている釣り人もたくさんおられるでしょう。
防波堤等でもフカセ釣りがずいぶん流行りだしました。
湾の中というのは産卵があって新子がのぼり出す場所です。
ですから湾の中にある防波堤は格好の釣り場になります。
玉筋魚(イカナゴ)が群れて湾の縁をなめるように接岸します。
流れの穏やかな波の無い静かな日にはたくさんの群れが移動していきます。
メバルなぎと言いますが、こんな日にはメバルがたくさん浮いてきてそれこそ述べ竿で釣ることができます。
イカナゴの無いときは同じ透明感のある物エビやシラサエビを使います。
メバル以外にもたくさんのチヌやアコウやガシラ(かさご)が同じく寄ってきます。
逆に産卵を終えてこの時期体力をつけながら沖へ出ていく魚もあります。
太刀魚やサクラマスとか本当に海の生物の生態は不思議です。
ところがそんな湾の中でも、この最高の時に全く魚がえさを追わないときがあります。
魚は居るのにエサを食わない。
だから潮が悪くてボーズになったということが釣りをされる方ならだれでもが経験していると思います。
外洋でもそうですが、特に湾の中は潮の入れ替わりに左右されると思います。
冬場の冷たい水が入ったことが原因の時、大雨が降って水潮になってしまったとき、
低気圧が来て大波があって海の水をかき回してしまったときなど生物にとって居心地がいいわけではありません。
地上の天気が良くても海の中は最悪ということがあると思います。
まず潮が動かないと水面から海底まで濁った潮が入れ替わらない。
エサとなる新子が寄りついてこない。
海中のミネラル分が少なく呼吸ができないなどの原因を引き起こしてしまった海は潮が入れ替わらないと次の釣りが始まりません。
潮の入れ替わりをしてくれるのがまずは潮の満ち引き、月齢です。
海の表面の潮が引っ張られることが大きいほど潮が良く動きます。
又、黒潮の接岸が大事です。
どんどん外洋の水が入ってくるほど水温と流れの大きな変化が魚の活性を上げてくれます。
自然の条件が整ってやっと釣れる状態になり、さて、その時どんなエサを使うかが決まってきます。
海の釣りはONかOFFでなく、いつも少しずつ変化をしているので、釣れていなかったのが突然釣れるようにもなります。
また同時に釣れ出すのではなく、エネルギーをもった魚ほど先にエサを求めて動き出すでしょう。
またほかもそれにつられて動き出すでしょう。
ですから、たとえ潮が悪くとも潮の入れ替わりはいずれあるしあきらめずしつこく釣りをしていくことになるでしょう。
釣果は芳しくなくとも、それなりに満足のいく時間を過ごしてこそ趣味の釣りになるのではないでしょうか。