チヌは非常に敏感に状況を察知する能力がありますので、大会参加者の気配を感じたチヌの行動を予測することが大切です。
釣り人の足音などで一気にエサを食わなくなったり、堤防から離れたり、深ダナへ移動したりするのを予測して、釣り方や釣り場所を選ぶことは重要です。
もちろん、自分がエサを落とし込むときも、静かに気配を消して釣りをするように心がけましょう。
特に天気が良く、海も凪いでいるときは尚更です。
落とし込み釣りでは、忍耐と丁寧さが結果を左右することになるでしょう。
どんなにアタリがなくても、丁寧に我慢して釣りをしなくては、肝心のアタリをとることができないことが多いです。
集中力と忍耐こそ、勝敗を分ける要素になるのです。
200回、落としてアタリがなくても201回目で小さなツンアタリが出る可能性があるのです。
何回落としてもアタリが無い時は、どうしても釣りが雑になってしまいます。
そんな時ほど、小さなアタリがでることが多いのです。
ある程度の期間、落とし込み釣りを続けていれば、エサの落とし方や、糸に張りをいれて釣るやり方などの技術に、大きな差はなくなります。
それよりも大会にのぞむブレない姿勢や、チヌの動きを予測する洞察力、当日の状況を判断して釣り方を変える柔軟性、がまんして集中力を切らさない精神力が肝心です。
人と同じことをしていては、一番になることは難しいです。
想像力を働かせて、他の釣り人が考えていない釣り方で、1枚のチヌを釣り上げることを常に考えていると、定番とは違う釣り方で、チヌを狙う可能性が発見できたりします。
もちろん、そのための試行錯誤の積み重ねがなければ、新しい落とし込み釣りも実現しません。
次回は、黒鯛道101 「茅渟の海、四方山話」その23、落とし込み釣行記 Ⅰ。を予定しています。