魚釣りで最も過酷な時期を迎えています。
外の気温は冷たく、さらに風があたって体感温度はさらに冷たく感じるとき、海の温度はどうかと気になるころです。
表面温度は気温よりはやや高く約7~10℃。
底の温度は2度ほど高いと思われます。
同じところで浅いか深いかで水温の差は大きいと思われます。
この大きな水温の違いがある中で、魚が気持ちよく泳ぐとは思えません。
非常に居心地の良くない状態と思えます。
更に、山の水が流れ込んできたりする河口の先では、魚にとって動いてはいけないくらいの状況ではないかと察します。
もちろんエサとなるものが活発に動いているとも思えませんし、わずかに流れる潮のあるようなところでじっとしていることと思います。
僅かに流れる潮のある場所というのは、やはり酸素が送られないと生きていけないですから、潮の動かないようなところには何があっても居付くことは考えられません。
潮がかろうじて動いていたとしたら、あとは動かずにエサが来るのをじっと待っているのではないでしょうか。
この時期の湾内のチヌ釣りでは、釣り場でよく聞く言葉が「ボーズ」とか「撃沈」とか聞きます。
当然だと思います。
撒き餌を打ってエサを食べに来てくれるような環境ではないのです。
棚を変えようが、沖に投げようがそこに魚は来てくれません。
先日、執拗に防波堤の底の隅をじっと狙っている人がいました。
おそらく仕掛けの投入点は30センチ角の枠内です。
撒き餌は、少量を10分に1回ぐらいのペースで、30センチ角の外の両サイドに1回ずつ。
30センチの枠の中に1回と軽く撒くだけです。
きっちり棚を取っています。
おそらくそこから10センチくらいの高さです。
それは仮に50センチの魚が底をゆっくり泳いできたとして、ちょうど口、あるいは目の高さが底から10センチと仮定してのことと思います。
誰も釣れないと嘆いている中3時間に1尾のペースで午前中2尾釣られました。
釣れるまで、いや釣れてもそのスタイルを崩しませんでした。
回りの方がにわかに真似をしてもその芯棒強さをまねできることは出来ず、結果的にはその方以外釣りあげることはできませんでした。
動かない潮、冷たい潮だったから釣れなかったで、普通の釣りならそれでも一生懸命やったから良しとしましょう・・・。
と自分を慰める前に、動かない潮、冷たい潮なら魚は動かない、でも魚は居る。
魚がおなかをすかせたタイミングに合わせて、違和感なく食えるように辛抱強く粘るということも、ある意味、釣りの面白いところかもしれません。