九州ではアラカブの呼び名でおなじみ。
この魚をぶつ切りして煮込んだみそ汁は郷土料理になっている。
面白いのは神奈川県三浦半島周辺の呼び名だ。
顔の周りに突起やまだら模様があって汚く見えるため、ツラアラワズ(面洗わず)と呼がおいしい魚だけに少し可哀想な気もする。
ガシラは普通の魚のように卵を産まない。
晩秋から初冬にかけて交尾し、メスのお腹の中で成熟した卵が12月から2月ごろに仔魚となって産み出される。
こういう魚を卵胎生魚と呼んでいる。
ガシラはもともと多産で、産卵期に入ると1尾の魚が3、4回に分けて産卵するのが
普通だといわれている。
水深が2、3㍍の浅場から、50㍍を超える深い場所まで生息している。
だが漁師はこのようなガシラとさらに深い場所にいる体色の鮮やかなガシラと、はっきり区別している。
沖の深場にいるガシラは、関東でカンコやアンポンタン、関西では沖ガシラと呼ばれているウッカリカサゴのようだ。
漁師はどうして見分けるのか、不思議だが地ガシラと呼ばれるカサゴの方がうまいというし、出荷したときに明らかに値が違うのだ。