見事な中秋の名月でした。
日本中が見とれた夜でした。
さて、秋も本格化、朝夕も肌寒く感じるようになってきました。
いよいよ秋磯の全開モードに突入です。
秋磯の特徴はとにかく魚の活性が高く、さらに、釣れる魚種の豊富な時期です。
真冬に本番を迎える口太グレはまだまだ小さいので釣っていても面白みに欠けますが、この時期のねらい目は尾長グレ。
そしてシマアジ。
青物の回遊もあります。
いずれもスピードの速い魚であって、磯の上物釣りのもっとも面白いターゲットです。
浅いタナでスピード感のある魚が来れば、よそ見をしていようものならば一発で切られてしまいます。
基本2ヒロのタナで勝負。
磯釣りでよく見かけるのがリールのベールを起こし、スプールに指をあてて潮の流れに沿うように糸を出しながら張りや修正を行います。
そんな時急激なアタリがあっても指でサミングをしていれば最低限の対処として伸されて切れるということはなくなります。
磯釣りでよく見かける釣りのかっこいいスタイルはまさにこの時期から必要になる所作です。
ツボに入り、アタリがあると一瞬でウキは見えなくなり、道糸がバチバチバチ・・と出ていきます。
動きが速く力の強い魚ではとにかくフリーで走らせることもあります。
ヒラマサやシマアジなどがそうです。
糸の抵抗をかけると逆に反発して磯の間を縫うように泳ぎ仕掛けが磯に擦れて飛んでしまいます。
糸をフリーにすることである程度泳いだら一旦は動きが停まります。
運が悪いときはたとえそれをしても切られてしまいますが。
さらにしっかりとウキの変化でアタリをとらえてあわせを入れるときは、指で糸をひっかけるかベールを倒すか道糸をもう片方の手で押さえるかして、糸が出ないような状態を瞬時に保って魚のいる方向とは直角に竿を持っていきます。
瞬間的な作業なので思い切り竿をあおっているように見えますが、糸のフケがない場合は魚の動きを止めるつもりの動作で十分フッキングしますので、大きなあわせは必要ありません。
その直後の動作が重要です。
魚に衝撃を与えてしまったことには変わりないですから、そこから糸を出すことは禁物。
糸を出すとすぐに主導権が魚に行ってしまってあえなくばらしてしまいます。
魚の頭が釣り人側の方に向くようにあしらいます。
竿を極限まで耐えさせて強引とも思えるくらいの強さで対応します。
当然狙う魚の大きさでタックルはすでに選ばれているわけですからバランスが良いタックルだとしたら、竿の反発力をいかさないことには十分なやり取りができません。
竿の力で魚を寄せた分だけ巻き取ります。
巻き取る時間は短ければ短い方が良く、ここでわずかでものんびりしておくととっさに方向転換されてのされてしまいます。
掛けた魚を怒らせなければ、ゆっくり水面に近づいてきますが、水面に近づけばたとえ油断して怒らなかった魚でもさすがに状況を諭して、急反発します。
魚はまだ元気ですから瞬間にばらしてしまいます。
要するに油断は禁物ということです。
秋磯ではこういったアタリが何回も体験できます。
時に大釣りをすることもあります。
一回の釣りで50M巻のハリスを使い切ったこともありますし、ウキは5個ほどなくしたことがあります。
それでも尾長グレだけじゃなくいろんな魚を釣ることができました。
尾長グレモードに入る前の潮の動き始めはサンノジ(ニザダイ)が釣れだし、シマアジが釣れ尾長が釣れたという感じでした。
腕も上がらないくらいにへとへとになりましたが、十分秋磯を満喫したものでした。そんな秋磯が待っています。