磯となると波が直接当たり足場も良くなく危ないイメージがあります。磯釣りでの事故が起きるのは大抵地磯と言われる地面が海面から出て繋がったところが多く、あるいて行く人もいます。これは是非とも避けていただきたいです。安全な磯釣り場での釣行をお願いします。この安全性に関してはのちほど。
人工的な護岸でも湾の奥に位置する場合と潮の入れ替わりのいい場所(潮通し)では微生物~小魚など回遊してきやすい場所がいいわけで、そうなると湾の奥より先に行けばいくほど魚に出会えるチャンスは多くなりそうです。磯でも全くおんなじで、海の水であっても潮の入れ替わりがないと海草も貝も付きません。まず生物の活性があることが条件となります。
磯は変化が多いのが護岸との差でもあります。付着する微生物がつきやすい。外敵から守られやすい。波が砕けて酸素が多い。こういう条件で磯と言うのは産卵後の卵や微生物が依存しやすくなってそれを狙って少し大きめの魚が集まってきます。更にそういう魚がまたそこで産卵等も行って更に多くの魚が寄ってきます。徐々にそのサイクルは大きくなって大型の餌を狙うさらに大型の魚が来るようになります。そういう大きな魚が違和感なく集まるような条件を備えた釣り場が更に存在するわけです。潮の流れに乗ってやって来るエリアもありますが、まずは付着する餌に寄って来るエリアからの説明となります。
磯と場所を一口に行っても磯にはたくさんのシチュエーションがあります。かといって分類分けされているわけではありません。釣り人の主観で小磯とか大磯、荒磯とかの表現をしていますが、第一水域、第二水域というエリア分けをしているところもあります。日本の地形から太平洋側と日本海側とを分けて第一、第二、あるいは離島の多い伊豆七島、九州、四国西南部を第一、北陸、山陰、瀬戸内などを第二と分けてみたり・・・これは釣り団体がある程度エリア分けして魚拓大会などの選り分けのために行っています。
やはり前述の通り、その場その場の状況で釣れてくる魚の種類や大きさに差が出てくるので、そうやってエリア分けして魚拓審査を面白くしているのです。
逆に言うと狙う魚によって釣り場が決まって来ると言うことになります。磯釣りの対象魚と言うのも決まりがあるわけではありません。磯に行けばこういう魚が釣れるという意味での対象魚です。それも結局どんな餌を食べているかで行く場所で対象魚も変わってきます。
湾の奥の波気のない磯場でもゴカイや青イソメ、イガイ、フナムシなどが微生物を食して生息しています。それをこのんでいる魚がクロダイです。磯釣りでは大変な人気があって、食性もバラエティーに富んでいていろんな角度で狙うことができます。クロダイは釣れると形もかっこいいしサカナ!という感じがして釣れると嬉しくなります。
波気のある場所にもいなくもないですが、食べている餌が虫やカニの類ですから当然波気のないところの方が出あえるチャンスとして多くなるということです。流れが乏しくても釣れるチャンスが多いのがクロダイです。一般的には50センチクラスが狙いの的となっていますが、昨年は70.5センチのクロダイが釣れています。大きいですね。こういう大型魚でも湾の奥まった水深が3~5メートルあたりでゆっくり泳いでいるわけです。次回は更に潮通しのいい場所がどんなシチュエーションなのかを探っていきます。
(つづく)