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2015年5月21日

エビ撒き釣り

エビ撒き釣りはシラサエビを撒いて釣る釣りです。
 
どういうところで効果が発揮されるかというと、汽水域であること、または川の流れ込みのある湾内、非常に流れが穏やかであること。
 
このようなシチュエーションとなれば湾内の防波堤が有力になります。
 
またそういった場所で狙う釣りものとしては、スズキ(ハネ)チヌ(クロダイ)、またはメバルになります。
 
古来エビを撒いて釣りをしていたといわれていて歴史はかなり古いと思われます。

エビ撒き釣りは生きたシラサエビを準備します。
 
ほとんどが琵琶湖産で磯釣りでは湖産エビの冷凍物が良く出回っています。
 
 
生きたエビを使うエビ撒き釣りの量の目安ですが、大体半合枡で10杯~20杯ほど持っていきます。
 
空気を送るポンプと断熱のきいたクーラーボックスに入れて、エビが停まられる網を入れていきます。

シラサエビはショックを与えることによって仮死状態になります。
 
生かしたまま撒くと泳いでしまってポイントが定まりません。
 
ショックの与え方は、エビを杓ですくって強く振動を与えると仮死状態になります。
 
エビの脳の中(食脳)は水がたまっているんでしょうけどそこが大きく揺らされてエビが脳震とうのように気絶したようになります。
 
撒き餌杓の反発力を使って撒いたらそのままゆっくり沈降していきます。
 
エサにつられて本命魚(チヌ、メバル、ハネ)が集まってきます。
 
釣れてくるタナは様々で初めてのポイントでは少しずつ仕掛けタナを再々変えることが必要です。
 
毎日釣り人が入っているような場所ではたいていタナが決まっていますので、船頭さんやその釣り場に通っている方にタナを聞いたほうが良いです。
 
タナ取りは非常に大切です。
 
 
オキアミの撒き餌によるフカセ釣りと違って遠投はできませんし、撒く量にしてもオキアミ撒き餌の20分の一程度です。
 
しかし生きたエサであることがかなり有効で、そのわずかな巻量でも十分な集魚効果が得られます。
 
十分注意しなくいけないのは時合の時に餌が効く状態を作る必要があります。
 
日中の炎天下では魚の活性はおろかエサの効果も半減するので狙いはやはり朝まずめ。
 
気温水温もまだ上がってなく安定した潮、温度の時にエビ撒き釣りは効果があると思えます。
 
 
メバルなどは岩礁帯に生息していて、歩いて行けそうな小磯でも水深がたとえ1Mでもエビ撒き釣りは有効でたくさんの魚を寄せることができます。
 
18尺の述べ竿、つまりヘラブナ釣りののべ竿で水深1M~1.5M位の磯場でメバル狙いをする釣りが昔からあります。
 
木箱を水で湿らせシラサエビ、または藻エビ(ぶつエビ)を田んぼからとってきて釣る釣りです。
 
エビ類は不思議なもので木くずの中では長生きしています。
 
昨今の中元お歳暮にも生きたクルマエビ、イセエビなどをおがくずに入れてクール便で送れています。
 
この昔からあるエビ撒き釣りの方法から得た技術なのでしょうか。
 
 
そういった方法で長持ちさせる技術から小磯の釣りが昔からあったわけで防波堤からの釣りは後発です。
 
防波堤となると水深が約10Mほどあって表層から撒いたところでなかなかそこまでいきません。
 
ポイントがずれるだけです。
 
しかし水温の影響や雨の影響で魚の棚が底のほうになっているときはエビ撒き専用の「底撒き器」なるものがあります。
 
丸い網に一か所簡単なフックがあって強く引くことによって網かごが開きそこで集中して撒き餌ができるという仕組みです。
 
一回の量は撒き餌カップ一杯分ですが、上撒きに比べると拡散しないので効率的です。
 
 
いったんポイントができてしまうとしばらく魚が居つきますが、できるだけ間断なくそこ撒きを行ってください。
 
 
この時期の湾内の釣りでもっとも面白みのある釣りといえましょう。