仕掛けの投入は、その日の潮を見てミヨシ(舳先)かトモのどちらかから順番に投入、仕掛けが扇形に入るよう船長が指示してくれる。
このときトラブルが起きて投入が遅れたら、船長は待ってくれず次の人に投入させるので、1回休みになる。
1日に4、5回しか仕掛けを下ろせない釣りなので、1回休みはかなりの痛手。
トラブルを起こさないよう万全の体勢で投入を待つようにする。
船長が水深を教えてくれるので、リールのカウンターで深さを確認しながら仕掛けを下ろし、上手に底立ちを取ることだ。
オモリが底へ着いたら一瞬糸フケが出来るが、これを見逃すと潮に押されてどんどん道糸が出ていき底が分からなくなる。
500m近くある深海でも魚が食うとはっきりしたアタリが出る。
モゾモゾッとしたアタリはアナゴ類が多く、竿先を揺するような激しいアタリのときは、クロシビカマスや深海サメのことが多い。
アコウダイのアタリは、鋭く断続的に強い引き込みがあり、巻き上げている道糸が残り100mを切るあたりで斜めに張り出したら、魚が浮いてきている証拠だから、まず、本命だと思って間違いない。
やがて、真紅の魚が水面にぽっかり浮んだら、釣り人の勝利だ。
目が飛び出し、お腹がふくらんだ魚は、二度と沈むことはないので、ゆっくり取り込めばよい。