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2015年3月12日

黒鯛道78 「茅渟の海、釣行記」 その22、番外編 道糸の可能性Ⅲ。

前回は、ナイロン、フロロカーボンの糸の可能性について話してきましたが、PEラインの可能性についても話してみたいと思います。

私が30年近く前にヘチ釣りを始めたころ、道糸は常にPEラインを使用してきました。
 
PEラインの良さは、糸に伸びがない分、アタリがダイレクトにつたわることです。
 
 
ヘチ釣りのアタリは、道糸、穂先、手元の音、手元の重みなどによって判別します。
 
道糸でアタリを感じるのは、視覚によって道糸の糸ふけ、張りなどでチヌの喰いを判断します。
 
穂先アタリは、タナでは張らず緩めずといった感じでエサを落とし込んでいくとき、穂先がツンと動いて判別します。
 
底のアタリは、エサが着底してから緩やかに糸を張り、穂先の微妙な動きでチヌの触りアタリや本喰いを確認します。
 
手元の音でアタリを取るとは、竿を握った手のひらで、チヌがエサを捕食したときのコツッとした音を感じて即アワセすることをいいます。
 
これはいつでも音を感じられると、いうことはなく、ごくまれに喰いが良いときにでることが多いです。
 
手元のアタリは、張りながらエサを落として行くときに、竿を持つ手元で一瞬、重みを感じることをいいます。コツッという音を感じるでもなく、グーっと竿を引っ張るでもなく、一瞬の重みを感じてアワセることをいいます。
 
 
いずれのアタリもPEラインは、伸びがない分、アタリが明確に出やすいのです。
 
PEラインの弱点は伸びがない分、ハリスに負担がかかりますので、同じタックルならナイロンを道糸に使うよりも、太ハリスを使うことになります。
 
又、一般的なPEラインは4本前後の撚り糸でできていますので、表面の円滑性がナイロンなどにくらべると滑りにくくなっているので、スリットケーソンやテトラでの障害物周りでは、引っかかりやすくなることが多くなります。
 
糸の比重も1.00以下のものがほとんどで、風が強いときや潮流がきつい時などは、タイトにしっかりと落とし込んでいくことが難しくなります。
 
 
現在開発中のPEラインは、グラスファイバーを芯に周りを8本撚りの糸で構成するという画期的な糸で、比重も1.20、表面も円滑性に優れています。価格が従来のものの倍近くするのですが、勝負糸としては期待できます。
 
 
次回は、黒鯛道79 「茅渟の海、四方山話」その1,を予定しています。