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2015年2月12日

ドラムフィッシュってどんな魚

関西では、イシモチやニベをグチと呼ぶ。
 
浮き袋を使ってグウグウと鳴き、その音がまるで愚痴をこぼしているように聞こえるのでグチと呼ばれるようになった魚。

釣り上げたあと活け間に生かしておくと大きな声を出して鳴く。
 
この鳴き声は産卵期にはいると特に大きくよく鳴くといわれ愛のセレナーデともいえるが、実際はそんなロマンティックな鳴き方ではない。
 
この鳴き声からグチの仲間を外国ではドラムフィッシュ(太鼓魚)と呼ぶところもある。
 
グチに仲間で釣りの対象になっているのがニベ、シログチ、コイチの3種だが、投げ釣り出よく釣れるのはニベとコイチ。
 
シログチはやや深い場所にいて船釣りでよく釣れる。
 
これらの仲間をイシモチとも呼ぶのは、頭に大きな耳石を持つためだ。
 
コイチとシログチは30cm前後のものが多く大きくなっても40cm程度だが、ニベはさらに大きくなる。

投げ釣りなどで釣れるのは50~60cmだが、80~90cmの大型もいる。
 
昔はこのニベの浮き袋を使ってニベにかわを作っていた。
 
このにかわは、よく粘りベタベタするので、人にまとわりつき、媚びへつらうことをニベをするといったが、この反対がニベもないという言い方で、あっさりして素気ないことを指す言葉だ。
 
また、中国ではニベの浮き袋を干した物を魚吐(ぎょと)と呼び、蛋白質が多くカロリーも高いので高級料理に使われる。
 
 
中華料理ではコイに次いでニベがよく使われるが、これは東シナ海や中国南部に多いフウセイと呼ばれる種類で、新鮮なものは鮮やかな黄色をしており50cmを超えるものもいる。
 
唐揚げにすることが多い。
 
 
関西ではあまりなじみがないが、九州南部(鹿児島県)ではオオニベと呼ばれるお化けニベがいて、専門に狙う人がいる。
 
志布志湾や甑島あたりに多い魚で、大きなものは体長1・5mぐらいになる。これとよく似た魚は南シナ海にもいてシナオオニベと呼ばれる。
 
鹿児島では釣具店で見事な魚拓が貼られてあるが、ほとんどが1mを超えるオオニベである。
 
ニベやシログチはゴカイなどのエサで狙うが、このオオニベは生きた小アジを泳がせて狙うことが多い。
 
 
ニベの仲間は世界に広く分布していて、アメリカのフロリダやオーストラリアのシドニー周辺にももっとすごいのがいる。
 
重さ50~60キロ、長さも2m近い化け物のようなニベがいて、釣りの対象になっている。
 
現地ではジューフィッシュと呼ばれシドニー湾も好ポイントにひとつで、オペラハウスの前やシドニーブリッジ周辺でタコの足やアジを泳がせて狙っている人がいる。
 
 
ニベやシログチは、淡泊な白身で塩焼きや造りなどにも出来るが、漁師の間ではつぶしものと呼んで、高級蒲鉾の材料にされることが多い。