投げ釣りなどで釣れるのは50~60cmだが、80~90cmの大型もいる。
昔はこのニベの浮き袋を使ってニベにかわを作っていた。
このにかわは、よく粘りベタベタするので、人にまとわりつき、媚びへつらうことをニベをするといったが、この反対がニベもないという言い方で、あっさりして素気ないことを指す言葉だ。
また、中国ではニベの浮き袋を干した物を魚吐(ぎょと)と呼び、蛋白質が多くカロリーも高いので高級料理に使われる。
中華料理ではコイに次いでニベがよく使われるが、これは東シナ海や中国南部に多いフウセイと呼ばれる種類で、新鮮なものは鮮やかな黄色をしており50cmを超えるものもいる。
唐揚げにすることが多い。
関西ではあまりなじみがないが、九州南部(鹿児島県)ではオオニベと呼ばれるお化けニベがいて、専門に狙う人がいる。
志布志湾や甑島あたりに多い魚で、大きなものは体長1・5mぐらいになる。これとよく似た魚は南シナ海にもいてシナオオニベと呼ばれる。
鹿児島では釣具店で見事な魚拓が貼られてあるが、ほとんどが1mを超えるオオニベである。
ニベやシログチはゴカイなどのエサで狙うが、このオオニベは生きた小アジを泳がせて狙うことが多い。
ニベの仲間は世界に広く分布していて、アメリカのフロリダやオーストラリアのシドニー周辺にももっとすごいのがいる。
重さ50~60キロ、長さも2m近い化け物のようなニベがいて、釣りの対象になっている。
現地ではジューフィッシュと呼ばれシドニー湾も好ポイントにひとつで、オペラハウスの前やシドニーブリッジ周辺でタコの足やアジを泳がせて狙っている人がいる。
ニベやシログチは、淡泊な白身で塩焼きや造りなどにも出来るが、漁師の間ではつぶしものと呼んで、高級蒲鉾の材料にされることが多い。