タナが浅い場合は、ハリスをピンと張ってから仕掛けを沈めていけば小さなアタリでも読み取ることができます。
タナが深いときの小さなアタリをとるには、その時の潮の動きにもよりますが、潮切れの良い細い道糸を使って出来るだけ張りを維持しながら、深場まで落として行きます。
3B以上の重いオモリでも食ってくるようなら、張りを作りやすくなるので重いオモリを使えばいいでしょう。
冬場などで6ヒロ、7ヒロといったかなりの深ダナのアタリをとるのは、常に張りの感覚を忘れないで落としていくことが肝心です。
ヘチ釣りにせよ、目印の落とし込み釣りにせよ、基本は堤防や地波止の壁や障害物の際にエサを落として行くか、前打ちのように前の底を中心に探って行くのが前提ですが、場合によっては前のタナでチヌが食ってくることがあります。
要件としては、底の状況や潮の流れなどでチヌが堤防の前近辺を回遊したり、根があるところ、釣り人がほとんど入っていない場所でやや沖にチヌが見えるときなどでは、気配を消してエサを前に打てば、追い喰いしてくることがあります。
一文字などの平場の堤防では、壁から20cm以上離さないでエサを落としていくことが基本になることが多いのですが、以前、私のホームである神戸七防で梅雨入り時期だったと思うのですが、堤防の際から1m離して約1ヒロ半のタナでイガイのダンゴをエサに、じっと待っているとなんと、ふた桁のチヌが釣れたことがありました。
普通の釣り方やタナ、場所でアタリがないときは常識に縛られずに、前のタナや深ダナ、底など他の釣り人が探っていない方法で思わぬ釣果を上げることがあります。
次回は、黒鯛道72 「茅渟の海、釣行記」 その16、番外編 釣り針。を予定しています。