今回からは身近な道具の特徴や選び方などご紹介します。
今回は撒き餌杓です。
撒き餌杓の役目は、魚を寄せるために餌を撒く際に使うものです。
昔、撒き餌に配合餌などを入れない時期は大きいスコップみたいな、あるいはお玉杓子のような大きくて深いものでオキアミを掬って足元に撒いていました。
グリップは塩化ビニルのパイプを刺したようなものでした。
機能的には掬うだけのものです。
機能的には掬うだけのものです。
船釣りでオキアミかごを使用する釣りの際に、手元のかごに入れるのに適していたのでしょう。
磯釣りでは全く異次元の存在です。
その後やや柄が長くなり立った姿勢でも撒けるようになって来ました。
カップも小さくなって来ましたがまだオキアミが原型のまま救えそうな大きさです。
ところがトーナメントなど競技会の振興によりより機能的に進化してきました。
えさを飛ばすために撒き餌をバッカンのヘリで強く押し付けることができるように柄の丈夫なものができてきました。
その当時の撒き餌はオキアミを大まかにザクザクとカットして以前よりも増して密度が上がりましたがまだまだ層と奥には飛びません。
むしろ広範囲に撒くような設計です。
柄の部分が硬いので人の腕、肘、手首をしならせて速度を上げて力を込めて撒くので肘が腱鞘炎になったりしたものでした。
押さえつけるときに撒き餌の中の余計な水分も押しだせるように撒き餌のカップの後ろに穴のあいたものが登場しました。
金属でできていてオキアミを切りながら抑えつけができるものもありました。
金属でできていてオキアミを切りながら抑えつけができるものもありました。
餌がびっしり詰まった撒き餌の中にも撒き餌杓のカップが入り易いように先とがりで流線型のものも登場してきました。
そのうちに餌を飛ばすことは餌の密度をあげるということに進化していき、撒き餌そのものがより細かく練りあげるようになって来ました。
そうなるとピンポイントで的に入り易いもの、つまりぶれのないカップが必要となってきました。
グリップの部分にも人の手がフィットしやすい形状になってきました。
グリップの部分にも人の手がフィットしやすい形状になってきました。
又、柄そのものがカーボンで軽く強靭になり軽い力で遠くに飛ぶようになって来ました。
先端のカップもゴルフボールのディンプル形状のものや、エンボスのような形状をして餌が離れる際に真空にならないような工夫がされ出しました。
餌を遠くに飛ばすために柄の長さも75センチほど長いものが出て参りました。
飛ばす人は50Mくらい平気で飛ばす人もいます。
こうして撒き餌杓は広範囲をピンポイントで攻めることができる機能が充実し素材の開発など釣り竿のように非常に高級な仕上がりを持つようになって来ました。
デザインも洗練され、長さの計れるものや夜釣りでもケミホタルを装着できるものなど様々な要求にこたえてくれるようになって来ました。
まだまだ進化しそうです。
<次回につづく>