初めての方へ

HOME

釣り船予約

最新攻略コラム

2014年10月9日

潮汐の話

潮汐とは、干潮とか満潮を繰り返す海のリズムを指す言葉だ。
 
では、どうして潮汐が起こるのだろうか。
 
簡単にいえば月と太陽の引力によって引き起こされる。
 
話を簡単にするために地球がすべて海でおおわれていて水深も同じだとしよう。
 
引力の影響は太陽も月も同じなので、月を例にとって話を進めると、月がある側の海面は月の引力で大きく盛り上がる。
 
これが満潮だ。
 
 
では月がある側の反対側、つまり真裏はどうか。
 
こちらは月から最も遠くなるので月の引力が弱い。
 
しかし、地球が自転しているので月の引力が弱い分だけ遠心力が働き、月がある側と同じように水面が盛り上がる。
 
だからこちら側も満潮になるわけだ。
 
月がある側とその反対側で海面が盛り上がると、地球全体の海水が細長い楕円になる。

そして、その楕円の一番細い部分が干潮になるわけだ。
 
たとえば真北に月があると、北と南が満潮になり東と西が干潮というわけだ。

地球は一日に1回自転しているので、この公式でいけば満潮と干潮は1日で2回ずつあることになるが、月の公転が地球の自転の時間とずれているため、満潮、干潮とも毎日50分ずつずれていく。
 
これは、地球がすべて海水でおおわれていて水深も同じという仮定にたってのことで、実際には地形や水深の違いによって干満の時間が大幅にずれることが多い。

潮の干満は、このようにして起きるが、季節や日によって同じ満潮でも大きく潮が盛り上がる日やそうでない日がある。
 
釣り人が大潮や中潮、小潮などと呼んでいる潮回りがこれに当たる。

大潮や小潮がなぜ起きるかというと、これも太陽と月が関係している。

地球を中心に考えてみると、月と太陽が一直線に並ぶ場合がふた通りある。

ひとつは地球と太陽の間に月があるときで、これが新月と呼ばれる。
 
このときは太陽と月の両方の引力がかかるため海水が大きく盛り上がり大潮になる。
 
 
もうひとつのケースは、太陽と月の間に地球があり一直線に並んだ場合。
 
これが満月で、地球の両側から太陽と月の引力がかかるため、同じように海水が大きく盛り上がり大潮になる。
 
では小潮の場合はどうか、太陽と地球が一線にならび、月が地球の真横に来たとき(地球を中心に太陽と月が90度の位置になるとき)太陽と月はお互いに引力を打ち消し合う。
 
太陽は海水を真上に引っ張ろうとするが、月が真横にあるので真横に引っ張ろうとするため引力が打ち消し合うのだ。
 
これが小潮である。

そして、太陽と月の位置が徐々に変わっていく間に中潮や長潮、若潮などが起こる。

潮汐はこのようにして起こるが、地形も大きく関係している。太平洋側は大きな潮汐が起こるのに、日本海側はほとんど潮高差がない。
 
これは日本海の両方の入口が非常に小さく、しかも海が深い(最深部は2000m以上)ために潮汐が起こりにくいのだ。
 
これとは反対に海が浅くて入口も広い東シナ海とか有明海のようなところは、満潮と干潮の差が2mというような大きな潮汐が起きるのだ。
 
もっと大きな視点で見ると太平洋では、ちょうどグアムやサイパンの辺りに大きな海底火山帯があって、そこを支点に潮汐が起きる。
 
ちょうどギターの弦を押さえてひいたときに、弦を押さえているところは震えないが支点から離れるほど大きく震える。
 
これと同じ現象が潮汐にもあって、支点になるグアムやサイパンではほとんど潮高差がないのに、グアムから離れたパラオやフィリピンでは大きな潮汐が起きる。