前号に続いて餌取りのお話をします。
今回は厄介な餌取りです。
厄介な餌取りというのは、前回撒き餌の撒きわけ方で餌取りと本命を分離する話をしましたが、厄介なことに分離できない餌取りがいます。
泳ぎが速くて表層から中層まで幅広く泳いでいて、オキアミ、アミエビ、集魚剤に貪欲によって来る魚種があります。
それは小アジ(豆アジ)と小サバです。
ネンブツダイやオセン(スズメダイ)の類は仮にたくさんいても磯場からそんなに離れず、50M位の沖まで餌を追いかけていくことはありません。
フグやキタマクラ、カワハギの類はスピードが遅いので撒き餌につられている間に刺し餌を深場に落とせば難なくかわせます。
しかし、アジ、サバの類は、なかなかそうはいきません。
まず、数がちがいます、圧倒的な数です。
匂いなどにも敏感で、すぐによってきます。
仕掛けがなじむ前についばむこともあってウキに変化が出ないときもあります。
又釣ったら釣ったで手袋は鱗まみれになって粘膜で糸を引きます。
厄介です。
アジもサバも防波堤でサビキで釣る分は楽しいし簡単だし子供は喜ぶし、締めて帰る必要もなく、大変重宝する魚なのですが、磯でグレやチヌを狙う時は始末に負えません。
こんなとき私の場合は3通りの釣り方で何とか楽しんでいます。
流れのないよどんでいる場所、しかも離岸流のない場所に大量の撒き餌をします。
無数の餌取りが居ついて離れない位に撒きます。
沖目に何も餌を撒かず、タナをやや深くして遠投をします。
ここで撒き餌をしたら餌取りに察知されて哀れな状態になります。
もう一つのやり方は少量のオキアミにパン粉を大漁に入れて釣ります。
パン粉にはなかなか寄って来ない(匂いがないから)ので、本命用にオキアミパン粉、餌取り用にアミエビとバッカンの中を二つにして対応します。
でもこれは予めアジがいると言う想定のもとなので方法として良いとは言えません。
3番目は刺し餌を変えます。
チヌの時はコーンかサナギ。グレの時はフナムシです。
フナムシは気持ちが悪いからと嫌がる方も多いですが、効果はてき面です。
撒き餌にもフナムシを使います。
ぎゅっと握って仮死状態にして撒きます。
来ればサンノ字かグレです。しかもサイズはなかなかのものがあります。
ただ釣り場に居て釣りを楽しむなら餌取りもお魚、上手に付き合ってその中から面白みを見つけていくと、ちがった釣りが楽しめるかもしれませんね。
<次回につづく>