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2014年10月2日

気をつけて!腸炎ビブリオ食中毒

7月の半ば、和歌山県の切目崎沖へひとつテンヤの釣りに出かけたとき、仲間がオキナヒメジ(地元ではメンドリと呼んでいます)を釣りました。
 

オキナヒメジは、スズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属の魚で、南日本の暖かい海に生息しています。
 
細長くて赤い魚体に白いストライプが入っていて、生意気にもアゴの下には立派なヒゲを生やし、見かけが少しケバイため誰も持って帰ろうとしないので、僕が頂いて帰りました。
 
以前にも、この魚の煮付けを食べたことがあって、その美味しさを知っていたからです。
 
家に帰ってから煮付け以外に美味しい食べ方はないものだろうかと調べてみたら、刺身や身の表面を炙った焼き霜造りが美味しいとありました。
 
そこで、半身を煮付けに残りの半身を焼き霜造りにしていただいたのです。
 

焼き霜造りは、魚の見かけとは裏腹にその身に上品な甘さを秘めており、特に皮身には旨みが凝縮されていました。
 
 
よく冷えた吟醸酒を頂きながら、家内と二人でぺろりと平らげてしまったのはいいのですが、翌日の早朝、二人とも猛烈な下痢(汚い話でスイマセン)が始まったのです。
 
 
朝の一時は二人で交互にトイレに駆け込む始末でした。
 
そして、僕は熱まで出してしまったのです。
 
 
これは、腸炎ビブリオ菌の仕業でした。
 
ウィキぺディアによると
 
「腸炎ビブリオとは、ビブリオ属に属する好塩性のグラム陰性桿菌の一種。学名はビブリオ パラヘモリティカス。主に海水中に生息する細菌であり、本菌で汚染された魚介類を生食することで、人に感染して腸炎ビブリオ食中毒を発症させる」
 
とあります。
 
 
釣り仲間から頂いたコメントでも、オキナヒメジやシイラなどは、皮膚に腸炎ビブリオ菌を持っている個体がいるそうです。
 
だからオキナヒメジも全部の個体ではないので、たまたま僕が食べた奴が持っていた、ということになりそうですね。
 
 
腸炎ビブリオ食中毒は、サルモネラと並んで発生件数の最も多い食中毒だそうです。
 
魚を生食する日本では特に多く、ヨーロッパやアメリカでは余り見られなかったそうですが、最近は和食ブームもあって外国でも寿司や刺身が食べられるようになり、発生件数が増えているそうです。
 
 
海水中では、水温が20度を超えると活発に増殖する菌なので、夏場に多く感染するそうです。
 
これからの季節ですから、気をつけていただきたいですね。
 
症状は、ひどい下痢や嘔吐、発熱などですが、特に体が弱った人でもない限り、死に至ることはなく、2、3日で症状が治まるそうです。