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2012年4月19日

タナ取りの勘違い

沖釣りでは、タナという言葉をよく使います。このタナを漢字で書けば「棚」という字になるのでしょうね。
 
タナとは、魚のいる場所、つまり青物やマダイ、イサキやマアジなどの魚が泳いでいる層をタナと表現するのです。
 
ただ、もっと広い意味で使われるときは、底という場合もあります。底を取ることをタナ取りと表現するのは、このためです。
 
さて、実際に釣りに出かけたとき、船長がタナを指示してくれることが多いですね。
 
「タナは20mだから、2m手前で仕掛けを止めて、エサ振って、それから指示ダナで待つようにして」
 
こういわれたとき、あなたはどう反応しますか?。
 
たとえば水深が50mあったとしましょう。魚のタナは20mなのだから、仕掛けを水面から20m下ろしてアタリを待ちますか?。
 
それともタナが20mなのだから、いったん底まで仕掛けを下ろして、そこから20m巻き上げてアタリを待ちますか?。
 
この場合だと仕掛けは水面から30m下のタナに落ち着くことになりますね。
 
最初のやり方だと、仕掛けは水面から20m下でキープすることになるし、あとのやり方だと仕掛けを底から20m上げたところ(水面からは30mの深さ)で待つために、10mもの誤差が生ずることになるのです。
 
このように底取りには二通りのやり方があるので、船長からタナを指示されたとき、水面からですか、それと底からですかと、よく聞いて確かめておくことが必要なのです。
 
それでは水面からのタナ取りのやり方を少し紹介しておきましょう。
 
水面からのタナ取りは、マダイ釣りやアジ五目などコマセを使う船釣りときにやることが多いですね。
 
全員が同じタナを釣るようにしてコマセると、より効果的だからです。
 
タナの合わせ方は、使う仕掛けによって変えて下さい。これもテクニックのひとつです。
 
胴突き仕掛けのときは、仕掛けの上部にコマセカゴがあり、上からマキエをしながら下にあるエダバリに付いたサシエや疑似餌を食わせるのが基本ですから、このときのタナ取りは、胴突き仕掛けの一番下に付いたハリかあるいは先端につけたオモリの位置をタナに合わせて下さい。
 
長いハリスを使ってテンビンでフカセて釣る場合、タナを合わせるのはハリの位置ではありません。
 
これをよく勘違いして、ハリの位置に合わせようとするから戸惑うのです。
 
だって、ハリスが長いため潮の速さによってハリの位置が変わるからです。
 
テンビンフカセの場合は、コマセビシをタナに合わせて下さい。
 
タナは水面から20mと指示されたら、その深さまで仕掛けを落とす前に、何回かに分けてコマセを振り、魚にアピールしておいてから、指示ダナまで仕掛けを下ろしてアタリを待つのが正解です。
 
あとは潮の速さに合わせてタナを微調整することが必要です。
 
潮が緩いときロングハリスを使っていると、どうしても仕掛けが垂れてコマセビシより下の位置にサシエが落ち着くことが多いのです。こういう場合は、コマセビシを指示ダナより少し上げて微調整しアタリを待つのです。
 
底からのタナ取りは、仕掛けをいったん底にまで落とし、あとはリールのカウンターか色分けされたPEラインの場合は、1m毎に入れられたマーキーングで、何m巻き上げたかを判断し、タナをキープすることです。
 
次回は、マダイのコマセ作戦について考えてみましょう。
 
うまくタナ合わせができたら、春のシーズンは、こんな大ダイも期待できる