メバルが追い食いするのは、1匹がハリに掛かると、その魚が暴れて仕掛けが揺すられほかのハリに付いたエサが動くために、それが誘いになって近くにいたメバルが飛びついてくるといわれています。
また、これから瀬戸内海などではイカナゴの新子が回遊する季節をむかえます。
イカナゴの稚魚はメバルの大好物ですから、これが回遊してくるとお腹がはち切れるほど食べまくります。
そして、釣り上げた途端、口いっぱいに頬張ったイカナゴを吐き出すシーンを何度も見たことがあります。
これと同じことが水中でも起きているのですね。
イカナゴに限らずメバルはハリに掛かった途端、それまでに食べていたエサを驚いて吐き出すのです。
吐き出したエサはほかメバルのマキエになるので、これが誘因剤になって残りのハリに付いたエサに飛びついてくるのです。
これが追い食いに原理なのです。
本当にそんなことが起きるのか、信じられない人は、釣り上げたメバルを個人イケスに生かしておきます。
しばらくするとそのメバルは、それまでに食べていたエサを吐き出していることが多いので、試しに吐き出したエサをハリにつけて釣ってみてください。
不思議なことにメバルは、ほかのエサには食わずに、まっ先に吐き出したエサに飛びついてくるはずです。
これは、そのときの状況で他のメバルも吐き出したエサを安心して食っているからです。
エサ釣りの場合は、大抵3本バリ仕掛けが使われますから、メバルがどのハリに食いついたかを察知できるようになると、追い食いさせやすくなります。
一番下のハリに食ったときは、メバルが食った位置が底近くのため余り引きません。
海底が近いために下へ潜って逃げる遊び幅が少ないからです。
反対に一番上のハリに食ってときは、底からかなり離れているので、メバルは思い切り泳いで逃げようとします。
だから引きが大きく、強くなるのです。
真ん中のハリの場合はこの中間と考えてください。
効率よく追い食いさせるためには、最初に一番上のハリに食いつかせ、少し仕掛けを巻いてアタリを待ち、2番目のハリに2匹目を食わせたら、また少し仕掛けを巻いて追い食いさせ3番目のハリに食わせたら成功です。
メバルがどのハリに食いついたか、察知できるようになったら、追い食いさせやすくなります。
上バリばかりに食いつくときは、仕掛けを下げすぎだし、下バリばかりに食いつくときは、仕掛けを上げすぎているのです。
釣りをしながらメバルが食った位置で判断してタナを変え、大いに追い食いを愉しんで下さい。