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2014年2月20日

美味しい干物の作り方

気候温暖な紀伊半島の南岸で、温州ミカンが花を咲かせる季節になるとマアジの乗っ込みが始まります。
 
乗っ込みとは、産卵のために群れをなして浅場へとやってくる魚の行動を表わした言葉ですが、乗っ込み行動をする魚はおしなべて、その季節に旬を迎えることが多いのです。
 
乗っ込みを始めたマアジは、まさに釣ってよし、食べてよしの季節を迎えるわけです。
 
マアジはサバほどは、あしが早くありませんが、それでも日持ちのする魚ではありません。
 
だから、たくさん釣れたときに困りますね。
 
食べきれずに置いておくと、どんどん鮮度が落ちてまずくなってしまいます。
 
 
そこで、手っ取り早い保存法が干物にすることです。
 
新鮮な内に干物にしておくと、味が濃縮されて鮮魚よりも美味しくなりますね。
 
ただ、干物を作るとき暑い夏は向きません。気温が高すぎると表面だけが早く乾いてしまって、中の身がぐちゃぐちゃになってしまうからです。
 
日差しがあって気温が低く空っ風が吹くような日が干物作りには理想的なのですが、季節的には9月ごろから翌年の3月ごろまでがいいといわれています。

アジを干物にするときは、腹開きにします。
 
かつて関西(名古屋以西)では、背開き、関東では腹開きという伝統があったのですが、静岡県の沼津産の干物が全国を席巻するようになってから腹開きが一般的になったといわれています。
 
腹から開いたアジは、頭まで割りエラと腹ワタ、ゼイゴを取っておきます。


さて、干物で一番悩むのが塩加減ですね。塩が濃くても薄くても美味しくありません。
 
立て塩を作ってどれぐらの時間つけておけば、いわるゆる”ええ塩梅”になるか、これが難しいのです。
 
そこで、紀州の釣り船の船長に聞いた簡単で美味しい干物の作り方を紹介しておきましょう。
 
立て塩は、海水よりも少し濃いめに作っておきます。
 
その割合は、塩1合に対して水7・5合。これぐらいが目安です。
 
この中に2枚に開いたアジを漬け込むのですが、漬け込んだ後は1時間おきぐらいにチェックして、目が白く濁ってきたら十分に塩が回った証拠なのでOKです。
 
この時点で立て塩から引き上げて天日干しにします。
 
直射日光が強ければ風通しのよい日陰を選び、日差しが弱ければ、3、4時間ぐらい日に当てて干すとよいそうです。
 
最初は身を上にして干し、表面が乾いてくればときどきひっくり返しながら干しあげたら美味しい干物の完成です。
 
干し加減がわからなければ干物の表面を指で押してみて、指紋が付くくらいの状態がちょうどいいでしょう。