落とし込み釣りをする上で最も重要、且つ基本的な心構えとして認識しなければいけないのは、チヌにこちらの気配を感じさせないということです。
一般的に見える魚は釣れないといいますが、これは潮が澄んでいたり、凪いでいたりして、魚が警戒モードになっていることと、魚からも人の気配を察知しやすい状況からこういうことが言われるのだと思われます。
人の気配を感じさせないで、チヌの近くにエサを落とすと食い気のあるチヌは、躊躇せずに喰ってきますので、見えチヌは釣ることができます。
落とし込み釣りで最も基本となるのは、チヌに気配を察知されないでエサを落としていくことです。ケーソンの際、釣り人の影、足音、竿、目印など気配をできるだけ消して釣りをすることは、上層にいるチヌをしとめるための必須条件といえるでしょう。
以前、大阪北港の橋脚近くから約10メートルの距離にチヌがたくさん見えているので、エサを前に打ってやるとしっかりと喰ってきました。潮も澄んでいたのですが、10メートル離れると気配を感じなくなるのか警戒モードがなくなるようです。
チヌの落とし込み釣りで最も基本となり、重要なことは、どうやって釣り人の気配をチヌに感じさせず、プレッシャーを与えずにエサを落としていくことができるか、ということでしょう。
自分以外誰もいない堤防で20枚のチヌが釣れたとき、仮に10人でその堤防に渡ったとすれば、釣果の総枚数はその半分以下になることがよくあります。大勢の釣り人が入ると当然、チヌはその気配を感じることになるからです。
又、落とし込み釣りの大会で、通常の一文字やパイル鋼管上のサンバシなどに何十人もの釣り人が渡り、ほとんど当たりの無いことがよくあります。
釣り場所の形状や季節、チヌがいるタナにもよりますが、チヌからみて人の気配が容易に感じられるような条件で釣りをするときは、釣り人の姿はもちろんのこと、足音、影、エサを落とす時の音、目印の置き方、タモの見え方、など細心の注意が必要となります。
特にチヌが上層に浮いているときは、決して海面を覗き込むようにしてはいけません。見えチヌは、人の気配さえ消せば釣れるからです。
こんなときは、仕掛けやエサの付け方も工夫して、ハリスを細くしたり、ガンダマが見えないようにするなど、不自然な要素を極力さけるほうが良いと思います。
たとえ海面が荒れているときでも、音を立ててエサを落とさないほうが良いでしょう。
次回は黒鯛道9 「オモリ使い・針使い」を予定しています。