神戸港の沖一文字での落とし込み釣りは、冬場の1月~2月、神戸第5防波堤内側から釣れだし、やがて七防、4防などで釣れるというのが毎年のパターンでした。
基本は際底狙いですが、5防のように台船の隙間などでは底から1ヒロぐらいのタナで喰ってくることもあります。
神戸七防のこれまでの冬の落とし込みは、一文字の内外の際底を穂先や道糸の動きでアタリをとりながら探り歩くというものです。
底や深ダナ中心の釣りは4月いっぱいぐらいまで続くときが多いのです。
いずれの場合もエサはパイプ一本で十分です。
冬場の特効エサ、パイプの出現によって落とし込み釣りのオフシーズンは無くなったといっても過言ではないぐらい、パイプが冬の落とし込み釣りに与えたインパクトは大きかったのです。
パイプのアタリの出方も毎年変わっています。
特に着底後に出るアタリは、年によって場所や時期、アタリの大きさが変化していきました。
当初、穂先に出ていたアタリも道糸が少し揺れるぐらいの微妙なアタリしか出ない年もありました。
エサの変化だけではなく、10~15年ぐらいのサイクルで、湾内のチヌの絶対数や行動が大きく変化することがあります。
沖一文字では、今年の初冬から異常にチヌの釣果が少なかったのが9月ぐらいまで続いたのも、10~15年ぶりだったのではないかと思います。
パイプは一般的に11月から5月ぐらいまでの時期の主力エサとなりますが、真夏の8月にイガイで喰いが悪いときの、特効エサになったりするときがあります。
ヘラヘラが梅雨どきの特効エサになるのと似たような効果があるのでしょう。
次回は 黒鯛道49 「落とし込み釣りのタックル考」 を予定しています。