4年に一度、オリンピックの年にやってくるのが閏(うるう)年ですね。
これは地球が正確には365日ではなく、365日と6時間あまりで太陽の周りを一周するため、この余った6時間を4年に一回足すことによって生まれる一日を閏日とし、この閏日を加える年を閏年と呼ぶようになったのです。
でも、漁師がいまだに使っている旧暦(太陰太陽暦)にも、閏月があるのをご存じですか?。
明治5年まで使われていた旧暦は、月の満ち欠けの周期を約29日半とし、これを1カ月としたので1年、つまり12カ月は354日しかありませんでした。
今の新暦が365日ですから、1年が11日も少なかったのですね。
このような暦をそのまま長い間放っておくと、どんどん季節とのズレが出てきてしまいますよね。それを修正するために、約3年に一度、閏月をもうけたのです。
今年がちょうど、その年に当たります。
どの月に閏月を持ってくるかは、いろいろ議論があるようですが、今年は4月になったそうです。
閏月が入るのは、2年8カ月ぶりのことだそうです。
ですから今年の旧暦は、1月から4月まで普通の月が続いて、4月の後ろにもう一度、閏4月が入ります。4月が2回あるわけですね。
そして、閏4月が終わったら、あとは5月から12月まで、例年通りに普通の月が続きます。
4月に閏月が入ったため、今年の旧暦は1年が13カ月になります。
このことが実は重要な意味をもっているのですね。
ちなみに閏とは余りという意味だそうです。閏月と書いて、じゅんげつとも読みます。
さて、潮の流れを読むことを重視する漁師たちがいまだ旧暦にこだわるのは、月齢(月の満ち欠け)と潮が密接な関係にあるからです。
太陽ではなく、月の満ち欠けの周期を暦にしていた旧暦は、月の大きさをみれば潮が分かるので非常に便利だったわけです。
先に1年が13カ月になる閏月が重要な意味を持っていると書きましたね。
そして、今年がその年だとも紹介しましたね。
正確には昨年の後半から今年にかけてですが、釣り物のサイクルが狂いだしていることに気付きませんでしたか?。
例年ならシーズンオフに入っている大阪湾のタチウオが、年が変わっても釣れ続きましたね。
そして、タチウオのシーズンが長かった分メバルがなかなか釣れ出しませんでしたね。
例年なら12月にはシーズンインしているはずのメバルが、3月に入ってようやく、そんな感じの年ですよね。
詳しく調べると、もっといろんな釣り物が実はなかなか釣れ出さなかったり、という現象が起きているはずです。
昔から漁師は、閏月がある年は、1カ月近くシーズンインが遅れる魚が多いといいます。それは1年が13カ月になるからです。
その言葉通りのことが今年は起きていると思いませんか?。
海に生き、海から学ぶことが多かった漁師は、早くからこのことを知っていたのです。
今度、閏月がやってくるのは約3年後の2015年ですね。
そのときに同じような現象が起きると仮定して、釣りの準備にかかるのも釣り人の知恵?あるいは腕かも知れませんよ。
次回は、魚の縞(しま)について勉強しましょう。