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最新攻略コラム

2013年5月23日

実際のメンテナンス風景編Part2

皆さんこんにちは(^-^)
 
ヘッジホッグスタジオ メンテナンスセンターの内田です。
 
リールチューニング最新攻略!ということで、今まで理論的なお話ばかりでしたので、前回に引き続き、少し趣向を変えて、実際のメンテナンスの様子などをご紹介して行きたいと思います。
 
前回はベイトリールのメンテナンス風景をご紹介しましたので、今回は、スピニングリールのメンテナンスです。
 
1機種のみではなく、状況により「こんな状態になってます」という感じでさまざまなシチュエーションをご紹介いたします。
 
 
ベイトリールも、スピニングリールも、通常皆さんが釣行毎に行うメンテナンスでは、ギヤボックスを開けることはまずないと思います。
 
ただ、スピニングリールの場合は、シマノでは「点検口」というものがあったり、ダイワでは本体カバーを取り外せばギヤ部分に注油することが可能な機種があります。(すべてのリールがそうではありません)
 
結構皆さん、この部分からグリスやオイルをスプレータイプのケミカルで「シュー」とやってませんか??
 
メーカーの取扱説明書にも「メンテナンス方法」として紹介されていますが、ギヤボックスに外部からむやみに注油することは、結構危険を伴うんです。。。。
 
 
オイルを注油してしまった場合。。。。
 
注油直後は、びっくりするくらい回転が軽やかに、スムーズになることが多いですが、これは大変危険です( 笑)
 
オイルが効いているうちはいいのですが、釣行中にだんだんオイルが飛び散って、最終的にはギヤの表面がドライになってしまうこともあります。
 
また、オイル注油により、せっかく皮膜を作っているグリスを流してしまうこともあるんです。
 
オイルとグリスの違いについては、以前のコラムをご参照くださいね。
 
 
代わって、グリスをスプレー注油した場合
 
オイルよりは危険性は少ないですが、スプレーで注油した場合は、シャフトやボディの隙間に余分なグリスを注油してしまうことが多いです。
 
その一例がこちら

ボディの隙間にびっしりグリスがついています。この余分なグリスはほぼ機能しませんので、グリスの無駄ですね。。。
 
状況によっては、塩水がしみこんで混ざった場合、部品に悪影響を与えることもあるんです。。。
 
 
外部からのギヤへの注油は、応急処置!
 
回転がおかしいなと思ったら、メーカーや業者へオーバーホールに出すのが近道です( 笑)
 
 
話は変わって、「メンテナンスフリー」についてです。
 
近年、各メーカーの開発技術も向上し、一部のリールでは「メンテナンスフリー」と称されている機種もあります。
 
ここで間違って欲しくないのは、「メンテナンスフリー」は全くメンテナンスしなくても大丈夫!という意味ではなく通常の釣行ごとの注油はこまかく気にしなくても大丈夫!という程度であること。。。。
 
ソルティガZ シリーズを例にとってお話します。
 
エンジン部分、ラインローラー、ピニオンギヤの上部ボックス、ハンドルを取り付けるメインギヤのベアリング部分、これらすべてに「ゴムパッキン」を取り付け採用し、「メンテナンスフリー」を実現しています。
 
釣行毎に皆さん水洗いされていると思いますが、基本的には水洗い&陰干しでメンテナンス終了です。
 
注油しようにも、ゴムパッキンがありますので、内部に注油できません。
 
逆に言えば、外部からの塩水・水分もシャットアウトされています。
 
ご自分で分解・メンテナンスできる方は、ご自分でなさっても結構ですが、かなりの技術を要します。
 
「1 年に1 度はオーバーホールを」となるわけです。
 
 
衝撃的な写真です。2年間放置の状態です

ピニオンギヤ及び、ワンウェイクラッチに塩がべったりです。。。。パッキンがあっても浸水してしまうんです。

エンジン部分です。パッキンでかなり防水されていたのでそれほど塩分はありませんでしたが、さびている部品もありますし、グリスがかなり劣化しています。
 
 
このように、「メンテナンスフリー」だからといって、完全放置ではリールをいためてしまいます。
 
スピニングリールの場合、部品の組み込み位置、シム(ワッシャー)調整、ケミカルの使い分けなどベイトリールよりワンステップ上の技術が必要となりますので、分解が初めてという方にはご自分での分解メンテナンスはおすすめできません。
 
特定機種に限らず、特にソルトウォーターでの使用には「塩害」がつきものですが、ソルトウォーター、フレッシュウォーターに関係なく、やはり定期的に「分解・洗浄」することはリールを長持ちさせる秘訣となります。
 
前回までお話したメンテナンス方法をご参考に、できれば釣行毎には簡単でもいいのでかならず注油などの簡単なメンテナンスを定期的に行い、最低1 年に1 回は、メーカーやメンテナンス業者へオーバーホールに出しましょう!
 
 
次回は、リールチューニング最新攻略!~メンテナンスに必要な工具編~をお送りする予定です。お楽しみに!