5月は産卵後の一服という表現で言われる通り、大阪湾、神戸港では一部の釣り場を除いて釣果は期待できないことが多いのですが、今年はややそのサイクルも遅れているように感じます。
もちろん、地域が変わればその状況も一変します。前号でお話した神戸のチヌ釣りのメッカ・和田防では、毎年ゴールデンウイークあたりがフカセ釣りも落とし込み釣りも釣果が期待できることが多いのですが、今年はやや出遅れている感があります。連休中に一度釣行しましたが、アタリは例年の3分の1から4分の1といったところでした。
ここでの落とし込み釣りのねらいどころは、テトラの穴や沈みテトラの影、赤灯台のコバ周りですが、チヌの活性がいつもより低いように感じたのと、釣り上げたチヌの雄の腹がパンパンでこれから産卵に入りそうな気配でした。
近くの須磨一文字もその時期は結構チヌのアタリが期待できるのですが、ほとんどアタリが無かったようです。
毎年自然界は変化を遂げて、前年と同じような時期に同じパターンで釣れることは少なくなってきたようです。気候の変動、それに伴う水温の変化、造成地などによる潮流の変化、エサとなる着生物の変化のよってそれまでに体験して学習したことが通用しないことも多いのです。
そう言った意味で一番安定して釣果が期待できるのは、やはり梅雨時と言えるでしょう。チヌの主食・イガイが堤防に繁殖し、水温も上がり、雨が人の気配を消してくれる梅雨時は初心者の方が落とし込み釣りを始めるのに適したシーズンだと思います。
次回は 黒鯛道35 「梅雨時の落とし込み釣り、その2」 を予定しています。