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2013年5月9日

海の春は、まだ来ない

24節気のひとつ、立春は春の始まり。ちょうど冬至と春分の中間にあたり、暦の上では立春から立夏の前日までが春ということになります。
 
24節気を決める方法のひとつ定気法では、立春は太陽黄経が315度のときと決められており、毎年2月4日前後にやってきます。
 
立春から一ヶ月半ほど経つと24節気のひとつで祝日でもある、春分の日がやって来ますね。今年は3月20日でした。春分の日は春分が起こる日のことで、昼と夜の長さがほぼ同じで春のお彼岸の中日でもあるんです。
 
昔から「暑さ寒さもお彼岸まで」とよくいわれるように、この日から本格的な春が始まるといっても過言ではないでしょう。
 
春3月、地上では待ちに待った暖かい春がやってきます。
 
では、釣り人が大好きな魚がすむ海の中はどうなんでしょうか?。3月になると陸上と同じように海の中にも春がやってくるのでしょうか。春の兆しは、陸上では気温、海中では水温で知ることが出来ます。
 
そこで、ちょっと調べてみました。
 
東京湾の水温が最も高いのは、もちろん夏場で8月にピークを迎えます。年によって多少の変動はありますが、平均すると27~29度で推移しています。
 
では、最も低い時期は何月でしょうか。
 
それは、2月から3月半ばにかけてで、最低水温は8・4度近くまで下がります。例年3月10日ぐらいまで9度台で推移し、3月の中旬を過ぎてからようやく10~11度に上昇し始めるのです。
これは大阪湾でも例外ではありません。1月に13度あった水温が2月に入ると10度を切るようになり、3月半ばになってようやく12度台まで回復するのです。
 
陸上では、2月4日ごろの立春が春の始まりとされており、大阪では最高気温が17度ぐらいまで上がる日もあります。これぐらいの気温だと十分、春を感じることが出来ますよね。でも、海の中はどうでしょうか?。
 
2月初めから3月中旬まで、東京湾や大阪湾では、水温が10度を切る真冬日が続いているのです。
 
3月の春の陽気に誘われて、釣り竿を担ぎ海へと繰り出したのはいいのですが、陸上の陽気とは裏腹に海の中はまだ真冬で、魚も冬眠中ということがしばしばあるのです。
 
どうして、こういう現象が起きるのでしょうか。それは、海水の性質によるものです。海水は熱しにくいかわり冷めにくいという性質を持っています。
 
つまり、夏場に最高水温を記録した海水は、一旦上昇してしまった後なかなか下がらずゆっくり下降していくために、地上では春だ春だと浮かれ始める3月初めに最低水温を記録することがあるのです。
 
海の春は、陸上より1カ月遅れ。3月の海はまだ真冬ですよ。この言葉を忘れずに釣行計画を立てて下さいね。
 
次回は、メバルの追い食いの考察です。