こんなときは風の向きと潮の流れを考えて釣り座を選ばないとダメですよね。
船をアンカーで固定しコマセをしながら釣るときは、アンカーは舳先から入れるのが普通ですね。このとき風を考慮に入れなければ船の舳先は常に潮上に向くので、ミヨシ側の潮上に座った人のコマセが潮下に座った人に集中しますね。こんなときは、胴の間より後方、つまり大ドモに座った人が圧倒的に有利になるのです。
ミヨシ側の人がどんどんマキエをしてくれれば、そのマキエが後方に流れて大ドモに集中し魚もそちらに寄ってしまうのです。
これが大ドモに座りたがる理由のひとつなのですが、すべてがそうなるわけではありません。たとえば、風がやたら強く、しかも潮の流れと反対方向から吹き付けたとします。こんなとき潮よりも風の勢いの方が強いと、船は舳先を風上に向けてしまいますね。
風の勢いが強いとき船は風上に向けて立ちます。でも、潮は風とは反対の方向に流れていますから、大ドモに座った人が撒くコマセは、舳先に向けて流れます。潮上に向けて船が立つ状況とは、まったく反対のことが起こりうるわけです。
また、潮と風がまったく逆ではなく斜めから潮が差してくることもありますから、右舷側に座るか左舷側に座るかで、コマセの効き方が変わってくることもあるのです。
これは流し釣りでも同じことがいえますね。潮と風が同じ方向から来るとき、スパンカーを張った船は、必ず舳先を風上に向けますから船はトモから流れることになります。これがトモ流しですね。
こういうケースでは、大ドモに釣り座を取っておくと、常に潮先を釣っていくことになるのでほかの人よりも有利になるわけです。では、潮と風が逆のケースの場合どうなるのでしょうか。船は常に風に向いて立ちます。でも潮の流れは反対ですから、よほど風の勢いが強くない限り、船は風に向かって流れますよね。ということは、潮上になるのはミヨシで、大ドモは潮下になってしまいます。
釣り座を決めるとき、このように潮と風の関係がとても重要になってくるのです。
ただ、その日の風向きは天気予報などで知ることが出来ますが、沖合の潮の流れだけは急に変わることもあるし、予測できないことが多いですね。これが泣き所です。
次回は、マアジの攻略法。