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2013年4月25日

生きエビを使いこなそう

琵琶湖という大きな一大産地があったせいでしょうか、昔から関西ではエビをエサに使った釣りが盛んでした。
 
淡水のエビでは、釣り人がシラサエビと呼んでいるテナガエビ科のスジエビと、ブツエビと呼んでいるヌマエビ科のヌマエビやミナミヌマエビが代表的なものです。
 
この二つのエビは、防波堤からのクロダイやスズキ釣りのほかに沖釣りのマダイやメバル釣りなど、現在もよく使われているエサのひとつです。ただ、ため池などの減少によって年々、取れるところが少なくなり、スジエビなどは韓国や中国からの輸入物が主流になってきましたね。
 
さて、関西にはエビ撒き釣りという独得の釣法があって、今も盛んです。生きたエビが手に入りにくい関東地方の釣り人からみれば、何と贅沢な釣り方と思われそうですが、文字通り生きたエビを撒きながら釣るためにエビ撒き釣りと呼ばれるのです。
 
春のシーズンだとクロダイやスズキ、メバルがターゲットになりますが、エビ撒き釣りではシラサエビとブツエビをうまく使いこなせないことにはいい釣りができません。
 
シラサエビとブツエビは、同じように釣りエサに使われていますが、外見だけでなく性質もまったく違うからです。

シラサエビは、水面に撒くとさっと四方に散らばって泳ぎ回り、なかなか沈もうとはしません。だから、底近くにいる魚をエビを撒いて水面近くまで浮き上がらせ釣り上げるのは、難しいものがあります。
 
そこで、5m以上水深がある釣り場で底近くにいるクロダイやスズキを狙おうと思ったとき一工夫が必要ですね。水面に撒いてもなかなか沈んでくれないシラサエビで底近くにいる魚をおびき寄せるのが難しいからです。
 
こんなときは、底撒き器を使って底近くにいる魚の鼻面にマキエして上げて下さい。こうすれば違和感なくサシエも食ってくれるでしょう。ただ、水深が5mまでの浅いポイントなら、シラサエビを上撒きしてもある程度時間が経てばエビが潜ってくれるので、その効果が期待できます。
 
ですから狙う魚のタナによって、エビの撒き方を工夫するのが正解なんです。

一方のブツエビはどうでしょうか。ブツエビを水面に撒くと、必死になって潜り、海底近くにある障害物に逃げ込もうとします。
 
ブツエビは、シラサエビより臆病なのか、解放されると必死になって暗い場所へ逃げ込もうとする性質があるのです。
 
こんな性質の持ち主ですから、底近くにいる魚にターゲットを絞って釣るときにいいエサです。関西では主にメバル釣りのエサとして使われることが多いですね。
 
エビ撒き釣りでは、マキエとサシエは同じものを使うのがセオリーですが、ときにはブツエビを撒いてシラサエビのサシエで釣ることもあり、その逆もあります。
 
サシエにするエビの刺し方は、尻尾にチョン掛けが一般的ですが、より自然に水中でエビを泳がせたいときは頬掛けがお勧めです。
 
スズキは大きめのエビを好み、メバルは小さなエビが大好きです、クロダイは、その中間ぐらいかな。サシエひとつにしてもいろいろ試してみると、食い方の違いが分かってきますよ。
 
次回は、海の春は一ヶ月遅れ。