琵琶湖という大きな一大産地があったせいでしょうか、昔から関西ではエビをエサに使った釣りが盛んでした。
淡水のエビでは、釣り人がシラサエビと呼んでいるテナガエビ科のスジエビと、ブツエビと呼んでいるヌマエビ科のヌマエビやミナミヌマエビが代表的なものです。
この二つのエビは、防波堤からのクロダイやスズキ釣りのほかに沖釣りのマダイやメバル釣りなど、現在もよく使われているエサのひとつです。ただ、ため池などの減少によって年々、取れるところが少なくなり、スジエビなどは韓国や中国からの輸入物が主流になってきましたね。
さて、関西にはエビ撒き釣りという独得の釣法があって、今も盛んです。生きたエビが手に入りにくい関東地方の釣り人からみれば、何と贅沢な釣り方と思われそうですが、文字通り生きたエビを撒きながら釣るためにエビ撒き釣りと呼ばれるのです。
春のシーズンだとクロダイやスズキ、メバルがターゲットになりますが、エビ撒き釣りではシラサエビとブツエビをうまく使いこなせないことにはいい釣りができません。
シラサエビとブツエビは、同じように釣りエサに使われていますが、外見だけでなく性質もまったく違うからです。