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2013年3月14日

ドラグとレバーブレーキの違い

メジナやクロダイ釣りのように細いハリスで大きな魚を狙う場合、強引に道糸を巻いて魚を取り込もうとすると、ハリスが切れてバレることが多い。このようなアクシデントを防ぐために、スピニングリールにはドラグかレバーブレーキのどちらかがかならずついている。
 
どちらも魚の強い引きをかわすための装置だが、システムも使い方もまったく違うので、まず、ドラグシステムから紹介しよう。ドラグ(drag)とは引きずるとか引きずっていくという意味だ。スピニングリールの場合、道糸を引き出していく装置といった意味になる。
 
このドラグをあらかじめセットしておくと、魚とのやり取りの最中に走られたとき、ハリスが切れる前にスプールが逆転しジリジリと道糸が出ていくようにしてあるシステムだ。
 
このドラグシステムにも2種あり、ドラグシステムがリールの前部、つまりスプールに内蔵されていて、調節つまみがスプールの前についたものがフロントドラグ。もうひとつはリアドラグでドラグシステムがリールの後部にあるタイプだ。

スプールはスプール軸によって固定されているが、この固定する力を調節するのがドラグである。基本的にはAとBの2種のワッシャーを組み合わせ、ワッシャー同士の摩擦を利用して滑りを調節する。ドラグつまみを強く締め付けるほど、AとBのワッシャーの密着度が高まり摩擦係数が大きくなってスプールが滑りにくくなる、つまり道糸が出にくくなるし、反対に緩めれば緩めるほど少しの抵抗で道糸が出ていくようになる。
 
この原理はリアドラグもまったく同じなのだが、ドラグがリールの後部にあるため、フロントドラグとは少し構造が変わるのだ。リアドラグがフロントドラグと違う点は、一方のワッシャーがリール本体に固定されていてスプールが回転すると、同じようにスプール軸も回転しながらドラグユニットの中で前後運動を繰り返すことだ。
 
このようにリアドラグは構造が複雑になるが、ドラグの調節つまみが後ろにあるため、魚とファイト中でもドラグ操作が簡単に出来るのがメリット。フロントドラグは、構造が簡単でリールを小型化がしやすいかわり調節つまみが前にあるため、ファイト中の操作が非常にやりにくいというデメリットがある。

では、レバーブレーキとはどういうシステムなのだろう。道糸を出すときドラグに頼るほかに、逆転するハンドルに下から手のひらを当てて回転を止める方法があるが、これをハンドル操作によってできるのがレバーブレーキつきのリールである。
 
構造的には、レバーを引くとローターの内側をブレーキバッドで押さえるようになっていて回転を止める。だからドラグのようにジリジリと道糸を出して魚の引きをかわすのではなく、レバーを引いて止めるか、フリーにするしかない。
 
その使い方は、魚に締め込まれて竿が伸されそうになったとき、竿の角度を戻すために、その分だけ道糸を出してやるためのものだ。もともとレバーブレーキつきのリールは、メジナやクロダイなど磯の上物釣りを意識して開発されたリールなのである。だから、ドラグとレバーブレーキは使い方が根本的に違うのである。
 
次回は、メバリングのワームの使い分けについて考えてみたい。