日本各地に分布しており、沖合から沿岸部の中層や下層を泳ぎながら、多毛類やイワシなどの幼魚を捕食している。産卵の時期は海域で異なるが、東日本は5月~7月、西日本は1月~5月頃といわれている。「アジは味なり」といわれるように、古くから味のいい魚の一つに数えられ人気が高い。アジには2種類のタイプが有り、沖合い回遊型のアジは、黒アジや鬼アジなどと呼ばれており、もう一方の瀬に居着くアジはヒラアジや黄アジなどと呼ばれる。味は黄アジの方が脂の乗りが良くて美味しいため、高値で取引される事が多い。様々な地方名も持っており、ホンアジ、ヒラアジなどと呼ばれている。
マアジの標準体長は30cm程度だが、大きいものでは体長50cm程度まで成長するものもいる。マアジには背側が黒っぽくて体高が低くスマートな沖合回遊型と、背側が黄色っぽくて体高が高く、比較的浅い海の瀬につくような2種類のタイプがある。腹側は銀色をしている。エラブタの後ろから尾の付け根まで綾鱗(ゼンゴ)が伸びており、尾柄付近のものは非常に硬く盛り上がっているのが特徴敵である。体の表面は薄くて剥がれやすい鱗に覆われている。
黄アジ(背側の色が黄色い瀬つきのマアジ)も黒アジ(背側の色が黒っぽく回遊型のマアジ)も透明感のある白身の魚である。新鮮なマアジは刺身がおすすめ。皮を引くと薄く銀皮が現れ見た目も美しい。中型のものは脂ののりもよく強い甘みと旨味を感じ、青物の風味も楽しめる。その他にも、たたきや塩焼き、フライや煮付けとどんな料理にも向く。素焼きにしたマアジをご飯と調味料で炊いたアジメシも絶品である。さらにマアジには栄養も豊富で、DHAやEPA、カルシウムやタウリンも多く含んでいるので、成人病の予防につながったり、コレステロールの減少や肝臓の解毒作用などによい。
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