北海道南部から九州までの広範囲で生息しており、一生を淡水の河川のみで生息する種類と、河川と海水を移動しながら生息する種類とがいる。河川のみで暮らすカジカは、上流域のきれいな清水の砂地を好んで生息しており、河川と海双方で暮らすカジカは、水深1000mの水域においても生息が確認されている。泳ぎが得意ではないので、流れが穏やかな場所を好み、水の底を這うように泳ぐ。基本的には肉食。ミミズや昆虫など、比較的なんでも捕食する。種類が豊富で、日本のカジカの仲間は約90種類いると言われている。産卵の時期は3月~6月で、種類によって異なる特徴の卵を岩に産みつける。一生を淡水の河川のみで生息するカジカは大きい卵を産むため「大卵型」と呼ばれ、河川と海水を移動しながら生息するカジカは小~中くらいの卵を産むため「小卵型」「中卵型」と呼ばれている。見た目は悪いが食べると絶品で、一番美味しく食べられる時期は産卵が終わった6月~12月頃である。小さい魚のため可食部分が少なく市場に出回ることは稀だが、山間部などでは貴重なタンパク源として古くから食べられてきた魚である。石川県では「ゴリ料理」として知られる。よく釣れるのは河川に生息しているカジカで、イワナ釣りをする際に外道としてかかることがある。子供でも簡単に釣り上げることができる。
体長は成魚で20cm程度にまで成長する。体色は茶褐色であるが、生息している環境によって異なる。繁殖期のオスは第一背ビレの先端が金色になり、婚姻色があらわれる。体は全体的にゴツゴツしている。カジカの体は細長いが、頭の部分は横にも縦にも大きく、加えて大きな口を持ち、唇も分厚いのでとても特徴的な顔をしている。エラやヒレにトゲは持っていないが、エラ蓋には4本のトゲを持つ。カジカの背ビレは三角形の形になっており、胸ビレは一般的にオスの方がメスよりも大きいという特徴がある。体表には鱗がなく、粘膜で覆われている。
見た目が悪いが、食味が良いので人気である。きれいな河川に生息しているものは、淡白で癖のない白身が美味しい。特に味噌汁は「カジカ汁」と言われ郷土料理としても親しまれている。白味噌を使用し、他のアラ汁とは異なり、肝や胃なども入れて味わうと絶品である。他にもほうれん草などと一緒に甘辛く煮付けたり、唐揚げにしても合う。カジカの身や骨からは質の良い出汁が出ることが知られており、その出汁を使用したカジカ鍋は、アンコウやフグ、クエ鍋と肩を並べるほど美味しさに評判のある食べ方である。鍋には処理をした内臓やぶつ切りにした身、カシラの部分を入れ一緒に煮込むため、余すことなく一匹まるごと食べられる。石川県ではよく「ゴリ料理」として食べられる。
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