富山県以北の日本海側や、静岡県以北の太平洋側に分布しており、海外では朝鮮半島やロシアなど比較的寒いところを好む。海でも河川でもで生息することが可能で成長過程で海へ降海する。普段は汽水域の沿岸部に生息しているが、春の産卵期にのみ川を遡上し、産卵する。肉食性の魚で、貝類や昆虫類などを捕食している。寿命は約10年と比較的長い。シーバスなどのルアーフィッシングの際の外道として釣れることがあり、釣り味は豪快で引きが強く楽しい。様々な地方名を持ち、岩手県や青森県などの東北地方では「オオガイ」などと呼ばれている。
大きいものは体長60cm程度まで成長する。成魚の体側にははっきりとした縦縞がないことが特徴である。産卵の時期の雄の体には、体側の下方に赤色の婚姻色が現れ、背側は黒くなる。ウグイとよく似ているが、マルタの赤色の婚姻色は1本しか無く、ウグイには2~3本あるので、この点で見分けることができる。婚姻色が出ていない場合、見分けることは困難であるといわれている。
食用として市場に出回ることは少ない。汽水域に生息している個体は生臭いものやケミカルな臭いがするものもいるが、産卵期以外は海に生息する魚なので、意外と臭いも気にならない個体が多い。身はやや水っぽく骨が多いが、塩焼きにすると非常に美味。他にも、煮物にするなどと様々な料理で楽しむことができる。味噌と一緒に混ぜてなめろうにしても非常に美味であるが、ボツリヌス菌を保持している個体が多いため生食はあまりおすすめできない。
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