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釣魚図鑑

アカエイ

エイ目 アカエイ科

南シナ海に多く分布しており、暖かい海の内湾や沿岸部の浅場、河口部などの砂泥底に棲息。外洋の開けた浜に多いが、5~8月には内湾の浅所に現れ、夜の投げ釣りなどに掛かることがある。冬は深場に棲む。尾の中に毒線を持ち、約10cmの棘が1~2本あり、毒に触ると激痛に襲われる。アレルギー体質の人は、アナフィラキシーショックに見舞われる可能性もある。釣りあげる際に尾を振りまわすので要注意が必要である。 アカエイの繁殖は、メスが卵を体内で孵化させ稚魚を出産する卵胎生で、産卵の時期の春から夏頃にかけて体長10cmほどの稚魚を5~10匹産む。稚魚の体の色は淡褐色で、体の形はほとんど成魚と同様である。寿命は15年程度とされる。

形態

体盤は丸く、体盤幅は30~50cmほどである。背面は褐色で、腹側は白色。目の周辺やヒレ、尾の辺縁部は黄色から橙色。 尾部はむち状に長く、背面中ほどに毒線を持つ大きな棘を備えている。棘は釣りバリのようなカエシのある鋸歯(キョシ)状で、刺さると抜けにくい。ウロコはなく、体の表面は粘膜で覆われている。体は座布団のような形をしており、上下に平たいというエイの特徴を持つ。近縁種とはヒレや尾などが黄色-橙色になっているかどうかで区別することができる。

食味

アカエイはエイの中では一番美味しいと言われており、実際にエイ類の中では最もよく食べられている。調理をする際はヒレの部分を使うことが多いが、アカエイの身肉は適度な繊維質のある白身で、クセがなく淡泊な味である。アカエイの煮付けは定番料理で、ゼラチン質が多いためその煮汁を冷ますと煮こごりにもなる。西日本ではお刺身で食べるのが人気。 死んでから時間が経ち鮮度が落ちるとアンモニア臭で臭みが出るので、新鮮なうちに食べるか、臭みを消す工夫が必要。ただ、アンモニアは水溶性なので水にさらすと臭みをとることができる。日本では酢味噌やショウガ、酒などを用いて臭みを消す調理法が一般的である。

尾部の棘に毒腺を持ち刺されると激しく痛む。水の中でアカエイから攻撃してくることはほとんどない。干潟や砂地で入り込んで釣りをする際などに誤って踏みつけてしまうと、驚いたエイに刺されることがあるので要注意。 刺された際の症状は重症になると血圧低下、呼吸障害、下痢、発熱などの症状が出るほか、アレルギー体質の人はショック状態になり、最悪の場合は死に至る場合も。 刺されたらすみやかに毒を絞り出し、患部を水か湯で洗い流し、早急に病院で治療を行うことが大事。 なお、アカエイは死んでいても尾の部分に毒が残っているので、不用意に触ったりしない。

釣種

釣り船,投げ,筏・カセ,ボート

釣場

内湾,砂地,防波堤

生息域

南日本,日本海,瀬戸内海,東シナ海