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釣魚図鑑

ウツボ

ウナギ目 ウツボ科

南日本太平洋岸、奄美諸島、沖縄島などの南日本に分布。沿岸の岩礁域に棲むが、潮だまりにもいることがある。夜行性で魚類、甲殻類、タコ類などを食べる。強力な嗅覚をもち、的確に獲物を捕食するため、タコ等の天敵であり、食物連鎖の中でウツボはピラミッドの頂点に君臨している。体長は一般的には60~80cmだが、大きいものは体長1m・体重7kgを超えるウツボも存在する。釣りでは外道扱いだが、産地では比較的喜ばれ、これを専門にとる漁もある。ウツボに毒素はないが、顎の力が非常に強く、歯が鋭く尖っていることから「海のギャング」と呼ばれている。食味が非常に良いので正月料理の食材としても利用される。

形態

目の後方部分にまで達する大きな口があり、吻(フン:口あるいはその周辺の前方へ突出している部分)も長い。体色は黄褐色で、表面には複雑な斑が密集し、縞模様に見えるが個体差がある。臀ビレの縁辺は白く尾ビレと背ビレとつながっているのも特徴の一つである。また、腹ビレと胸ビレは存在しない。ウツボは皮が厚く、皮膚呼吸できるので30分程度なら湿った陸上でとどまることも可能。危害を与えない限りは襲ってくることは少ない。全体的に筒状で、左右に若干扁平している。

食味

見た目とはうってかわり、上品で淡白な身をもつ白身魚である。ウツボの身は弾力があり、鶏肉の食感と似ていると言われる。千葉県、和歌山県、高知県ほか太平洋岸の産地で地元消費される。高知県ではウツボのタタキを郷土料理としているのが有名。寒期が旬。同種の中で最も味がいいのがウツボであると言われている。コラーゲンの含有量も多く、健康的な肌を保つにはもってこいな魚である。尾に近い部分には小骨が多く調理するのには技術が必要であるが、身を炙ってから冷やすと骨が抜きやすくなる。

釣種

磯,防波堤

釣場

内湾,岩礁,防波堤

生息域

南日本,東シナ海 ,琉球列島