北海道以南、全国に分布する。産卵場はマリアナ諸島西方海域。黒潮に乗って日本列島に達する。幼魚は河川を遡り、中・下流域や湖沼などにすみつく。昼間は石の陰や隙間に隠れ、夜間活発にエサをとる。淡水域で7~8年過ごした後、産卵のために川を下るという生活史を持つが、中には淡水に入らず、海だけで過ごすものもいる。養殖のものでなくても20~30年ほどの生きるので寿命が長い。本種の体表の粘液や血液には弱毒がある。食味は大変良いため、市場でも広く流通している。しかし、近年は養殖のものや輸入のものも増えているため天然のものは少なくなっている。小魚や水生昆虫、甲殻類を捕食する肉食性である。絶滅危惧種である。
体型は細長い円筒状で、スラッとしている。目は小さい。下あごが上あごよりも突出する。体色は背側が青緑~灰褐色(黒)で、腹側が白い。黒い斑点がある個体も存在する。体表に根寝息が多い。見た目はアナゴに似るが、背ビレが尻ビレの前方から始まっており、アナゴよりも後ろにあるという点で見分ける。サイズは一般的には50~60cmほどであるが、大きなものは1mを超える。ウナギは皮膚呼吸を行うため、体の水分を保つために体表がヌルヌルしている。
ビタミンA、D、Eを大量に含み栄養価も高く美味。蒲焼き、白焼きが定番。蒲焼きはウナギの上品な脂や香り、甘み、ふわっとした食感を堪能することができる。内臓は肝焼き、肝吸いなどにされる。刺身、洗いも美味しいが、血清に溶血作用があるので調理の際は血液をよく洗い落すことが必要。ウナギの刺身は独特の甘みがあり、鯉の洗いのような食感を楽しめる。海で捕れるものよりも、川や池などで捕れるもののほうが癖が強い。アナゴよりもウナギのほうが脂肪分の含有量が多い。旬は初冬である。
体表の粘液に毒、血液は弱毒で血清に溶血作用がある。血液に含まれるのは「イクチオヘモトキシン」というタンパク質の毒である。フグの毒のように命を落とすほどの猛毒ではないが、食中毒を起こすと粘膜が赤く腫れる・よだれが流れるという症状がでる。また、ウナギの毒は口に入れずとも触れるだけで炎症が引き起こるのでこれも注意が必要な点である。傷口や目に入ると、化膿や結膜炎などを引き起こす。血清毒は加熱により無害になる。目安としては、60℃で5分加熱する程度。
釣り船,投げ,防波堤
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